天使のイカれた約束 (ページ14)

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episode12 ページ14

レイチェルの殺気で記者達が静かになっていたのは束の間で、また騒ぎ出す。
　その喧騒は屋敷にも響き渡る。
　パウリーは苛ただしげに廊下を歩き回り、レイチェルは窓から記者達を見下ろしていると、涙目のカリファが部屋から出てきた。

「アイスバークさんが・・・たった今・・・意識を取り戻しました」

　その事に安堵の表情向ける三人にレイチェルは冷たい目で、三人の内一人を見た。
　中に入るとベッドに横たわるアイスバークがいて、パウリーが労いの言葉をかける中、レイチェルが問い掛けた。

『アイスバークさん、昨夜侵入してきた犯人を憶えてる？』
「おい。それはまだ捜査中「いや・・・憶えてる」え!!？」

　パウリーは驚愕の声を上げ、レイチェルは目を細める。

「二人いた。一人は仮面を被った大男・・・もう一人は・・・黒髪で長身の女。あの鋭い瞳は・・・おそらく・・・ニコ・ロビン」

　アイスバークの証言により犯人が麦わらの一味と騒ぐ中、レイチェルは無表情でアイスバーグを見つめる。

ぅう～・・・うぉお!!!

　ドタバタと足音と暑苦しそうな声が耳に入った!

「うぉい!!!大変だァ!!!」

　縫帆職職長・タイルストンが大声を上げながら入ってきた。
　余りにも大きい声にレイチェルは耳を塞ぎ、パウリーはタイルストンを殴り、アイスバークの容体に響くと説教する。
　タイルストンは慌てて謝罪し、ある事を伝える。

「一番ドッグで今・・・!!昨日来た麦わらの海賊がフランキーと喧嘩始めやがって造船所が滅茶苦茶にィ!!!うおおおぉ!!!」

　余りにもタイミングが良すぎる事にレイチェルが驚く中、パウリー達は”麦わらの一味”を締め上げるべく一番ドッグに向かう。
　レイチェルも続いて出ようとした時

「A、どこ行く気だ・・・？」

　アイスバークが声をかける。
　この件についてレイチェルは無関係だからこそ、声をかけたのかもしれない。
　レイチェルは立ち止まり、こう告げた。

『私は”麦わらの一味”が犯人だとは思えない。アイスバークさんもそう思ってるでしょ？それに・・・』

　深海のような暗い蒼い瞳にアイスバークを写しだす。

『仲間思いの単純な人は・・・仲間に暗殺させて自分の手は汚さない、なんて事、しないと思うから』

　レイチェルの放った言葉にアイスバークは目を見開くが、レイチェルは気にせず部屋から出て行った。