天使のイカれた約束 (ページ2)

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Prologue ページ2

ーその日、家で子犬と遊んでいたら凄い音がした。リビングをのぞくと父さんが母さんをー

　父さんは血走った目で私を見つめる。
　私はそんな父さんを見て逃げ出した。

あの時と同じだ・・・・・・

　頭の中に様々な光景が駆け巡る。
　ああそうか・・・・・・だから私は今父さんをー

鈴の音がなる

ーーチリン

　そうだった。
　”あの時”のように母さんと父さんを”直し”、”私の理想の家族”にした。
　”直してあげた”、”私のもの”になった子犬と一緒にいた。

　”理想の家族”になった私達。
　とても幸せだった。
　でもそれは・・・・・・ただの幻で。

　私の知っている両親に”直した”。
　愛を与られて満足だった。
　でもそれは・・・・・・自分勝手な嘘で。

　そんな私を許してほしいとも思わない、許してくれる人はもういない。

　私は繰り返してしまった。
　だからこそ、私は死にたい、生きてはいけない。

　だから・・・・・・だからね、ザック。

ーーチリン

　もう一度

『ーーねえ、ザック・・・・・・ー私を、殺して』

　皮肉にも、窓からのぞく青白い月はただ美しかった。

　そして私の家に軍服をきた人達が一斉に来た。
　その人垣をよけて、立派な白い髭をはやした大きなおじさんが目の前に来た。

「お前さん、海軍になってみないか？」

　私は差し出された手を迷わず握った。
　そして私は様々な出会いをしていくが、彼には会えなかった。
　でも、私は探し続ける。
　彼に気づいて貰う為なら何だってしてやる。
　全ては私と彼がたてた二人の誓いなのだから・・・・・・。

　この物語は、殺人鬼と建てた余りにも切なく、儚く、脆く、醜く・・・そして美しい物語だ。