「退部届け」 ページ8
公園の騒動から翌日
学校から帰って来たアカルは、憂鬱そうな表情を浮かべ本棚を整理していた
「アカル、少し休んだら？」
『・・・そうだね』
見かねた良太郎が休憩する事を勧め、アカルは頷きカウンターの席に座る
「アカルちゃん、どうしたの？そんな顔してると幸運の星は逃げちゃうわよ」
愛理が出したコーヒーを一口飲み、一息つく
「学校で何か会ったの？」
『うん、実は・・・千秋先輩が、あの日以来、空ちゃんを避けるようになってね。部活も休むようになっちゃってさ・・・何とかしたいけど、前と違ってもっとピリピリしてるから、下手に介入したら悪化するかもしれないし』
アカルがもどかしそうに話していた時、携帯がなった
『もしもし。あ、空ちゃん』
噂をすればなんとやら
電話してきたのは、今話してた空からだった
『どうしたの、そんなに慌てて・・・千秋先輩?ここにはいないけど、どうしたの？・・・え!?・・・じゃあ、私も探すよ・・・気にしないで、困った時はお互い様。見つけたら連絡するね』
携帯を切ったアカルは、深刻そうな顔をして出掛ける準備を始めた
話を聞く限り、千秋に何かあったのだろうかと思い声をかける
「アカル、千秋さんがどうかしたの？」
『千秋先輩、学校を早退したみたいなの。しかも・・・顧問の先生に退部届けを出した上で』
「！」
『事情を聞こうにも・・・家にも帰ってないし、携帯も電源切ってるみたいで連絡出来ないって』
良太郎は千秋が退部届けを出した事に驚きつつも、緋騎士が話した《異界化》を引き起こす要因について思い出す
”人間の持つ負の感情
怒り、妬み、嫉み、恨みーそんな概念にグリードは引き寄せられるんだ
そして目をつけた者の感情の”揺らぎ”に共鳴し、《異界化》を引き起こし、本人を・・・もしくは居合わせた人間を引きずり込む”
緋騎士の言葉が頭によぎる
千秋の心境は不安定な状態であり、このままいくと・・・
(千秋さんが危ない！)
「アカル。僕も捜すの手伝うよ！」
良太郎は千秋が危うい状態だと悟り、自分も探すと申し出た
『ありがとう、良ちゃん！』
愛理に出掛ける事を伝え、二手に別れ千秋を捜す
「早く千秋さんを見つけないと・・・！」
通行人に聞き込みをして辿り着い着いたのは、湖に面した杜宮記念公園
辺りを見渡すとベンチに座る千秋の姿が見えた
「・・・何やってるんだろ、あたし」
俯いてそう呟く彼女は、明らかに落ち込んでいた
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らい(プロフ) - とても面白いです。続き楽しみにしています。更新は大変だと思いますが、自分のペースで頑張って下さい。応援しています。 (2021年4月19日 20時) (
レス) id: 02ecfe8e59 (このIDを非表示/違反報告)
にわとり(プロフ) - 初めまして、お話読みました。素敵です..！私も書き始めて浅いですが、よければ読んで、意見を聞かせてください..！ (2019年8月25日 18時) (レス) id: b7c5b25082 (このIDを非表示/違反報告)
オンブラ - 続きが楽しみです！頑張ってください！ (2019年8月9日 0時) (レス) id: 8751dc96a1 (このIDを非表示/違反報告)
麗 - 続き楽しみにしています！ (2019年3月15日 20時) (レス) id: 8656a872ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：rin | 作成日時：2019年1月12日 1時
