短編1 ページ17
。°*梅の花*°。
「それでは皆さん一年間ありがとうございました。さようなら。」
先生の号令を聞き、私たちも挨拶をする。
皆、袴やスーツを着て教室はいつもより華やかだ。
そう、今日は卒業式だったのだ。
四月からは隣の中学に行って学ぶのだ。
うちの学年は昔から一つだった。
だから中学に行くとほとんどの人とは離れてしまう。
それを喜ぶ人もいれば、
悲しむ人だっている。
まぁ、私には関係の無いことだ。
そう思って昇降口に足を進めた。
昇降口に着くと五年が花束を渡す準備をしていた。
花束の花はどれも明るい色ばかりで私にはとてもふさわしくないと思った。
そんなことを思いながらも花束を受け取った。
もう受け取ったら帰っていいらしい。
ならさっさと帰ってしまおう。
「六年生さん今までありがとうございました！！」
遠くから、五年の声が聞こえた。
多分クラスのマドンナたちに言っているのだろう。
本当顔立ちが整っているやつには何度が恨みを覚えたのだ。
まぁ、私にはどうでもいいが。
そんなことを思いながら歩いていると
ある薄い桃色をした花が目に留まった
梅だ。
この学校の梅は絶対卒業式には咲くのだ。
梅は心地よい風にふかれながら満開の花を咲かせている。
昔から和の花には心引かれるものがいくつかあった。
和の花だからこそ日本人の心を
引き寄せられるんだと私は思う。
その梅の花は
私が六年間見てきた中で一番綺麗だと思う。
だって
満開の梅の花が私たちの卒業を祝ってくれているような気がしたから。
「それじゃあ、また会おうね。」
返るはずのない返事をして
私は校舎をあとにした。
ーーー
卒業式ネタ！どうだった？
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作者名：ワカ×りぃ | 作成日時：2017年12月10日 13時
