占いを侮ってはいけないと実感した日。 ページ11
「佐藤！無事か！？」
「何事ッ」
ガッ、そんな効果音が付く勢いで私の肩を掴み、ガクガクと揺さぶってくる緑間先輩。
先輩の行動で召されそうです、そんな思いを察してくれたらしい自転車に跨っていた高尾先輩が緑間先輩を宥めてくれた。
「あの、ご用件は」
高尾先輩から近場の公園に来て欲しいと電話で言われ来てみれば、謎のリアカーと苦笑する高尾先輩、花束と鼻眼鏡を持った緑間先輩の姿。
最近の学校でのあだ名がサイボーグの私ですら戸惑いを隠せない。
「今日のおは朝で、お前の星座は最下位！
特に女子中学生、表情に乏しい奴は人生で一番の厄日、もはや命の危機だと言われていたのだよ！」
「あれ、おは朝に恨まれるような事しましたっけ？私」
「それ見た瞬間真ちゃんったら血相変えて俺にモーニングコールして来て、休日の朝っぱらからAちゃんを呼び出したってワケ。マジでごめん」
「いえ、それは構わないのですが…緑間先輩、まさかその手に持っている物は」
「あぁ、お前のラッキーアイテムなのだよ。受け取れ」
そう言って差し出された花束を見て、心の中で頭を抱えた。
そっちか、ない事を願っていたがそっちのハナなんですか。
鼻眼鏡ならまだしも、その馬鹿デカイ花束を持って今日一日過ごせと？
どこのロマンティク少女だろう。
「えっと、あの」
「どうした、この１日を乗り越えたいのなら早く受け取るのだよ」
「…ブフッ」
パシャリ。
高尾先輩が全力で笑いを堪えながら、私と緑間先輩に向けてシャッター音を鳴らす。
緑間先輩は眉間にシワを寄せながら、「なんなのだよ」と不機嫌そうに低い声を出した。
「だって今の真ちゃん、これだけ見るとプロポーズしてる風にしか見えないし。こんなの撮って先輩達に拡散するしかねぇじゃん！」
「なッ…！！」
高尾先輩の言葉に、先輩の顔が一瞬で真っ赤に染まったのが花束越しにわかった。
ついに我慢できなかったらしい高尾先輩が、大爆笑しながらどこかへ走り去ってしまう。
それを放っておく筈もなく、緑間先輩は強引に花束を私に押し付け、「高尾ぉぉおおお！！」と叫びながら同じく走って行ってしまった。
後日、結局拡散されてしまった写真により(私の携帯に登録されている数少ない人達から)緑間先輩との関係確認の連絡が相次ぐ事を、花束のおかげで一命を取り止めた今の私は知る由もない。
成長を感じずにはいられないのですが。→←あまりの圧に負けてしまった件について。
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塩おにぎり(プロフ) - 面白くて好きです！！更新待ってます❣️ (2022年7月2日 21時) (
レス) @page12 id: 75433748f1 (このIDを非表示/違反報告)
光華(プロフ) - 好きです！ラノベも黒バスもテツ君も好きです！更新して下されば幸いです？！ (2021年5月16日 12時) (レス) id: a571740452 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：のんびりん | 作成日時：2020年10月1日 16時
