γ ページ8
「宮舘さん！」
蓮が涼太を迎える。
亮平に体をコントロールされていた時よりも気が楽そうな顔をしている。
「阿部さんの能力から解放され、宮舘さんと戦った時の微かな記憶を頼りに鍛えてました。再戦を挑みたいんです。勿論、騎士団長からの許可も得てます。」
「……また、俺に倒されたいんですね。物好きなお方だ。」
涼太はボソッと呟くとゆらりと力が抜けた状態で剣を引き抜く。
「今度こそ、宮舘さんを倒します。貴方が動揺する顔を拝んでみたいです。」
「……それは幾ら力を身につけたとしても、不可能に近いでしょう。」
涼太は淡々と語る。
これから戦うというのに何処か他人事のようで、蓮は微かに涼太に対して違和感を感じた。
「結構、言うんですね。」
「正直なところ…眼中に無いんですよ。俺は…あの人だけ。」
涼太は首をゆっくり曲げ、一息つく。
そして、スイッチを入れる。
そのギアチェンジが蓮をドキドキさせた。
「やっぱり、宮舘さんを倒したいっすね。地面を拝ませてあげますよ。舐めプしてると痛い目に遭いますから。」
「四天王の方々を侮っているつもりはございません。ただ…冷静に客観的に…自分の立ち位置というのを考える事も大事という事です。」
涼太はそう言うと蓮の攻撃を軽くかわす。
太刀筋を見切っている。
「振る速度、パワー、向上してるのは肌で分かります。ですが、それが通用するかどうかは別問題です。」
冷静だった。
この場で誰よりも。
「攻撃なんて当たらなければ、何の価値も無い。ふふっ、俺と騎士団長の優劣を決定付けたあの瞬間が懐かしい。」
最早、それを愛おしそうに感じている。
涼太はぶつぶつと呟きながら、飄々とかわしていく。
「俺に攻撃しないんですか。」
「そもそも、練習とは言え、四天王たるお方に攻撃をすり許可を得てないので勝手に判断することは出来ません。」
「え？」
「俺と対決する許可を得たかもしれませんけど、俺はあの人から何も言われてないので…。そもそも、俺の意思で動く訳にはいかないんですよ。何せ、俺はあの人の護衛だから。あの人が操らないと動けません。」
「随分と心変わりがあったんすね、宮舘さん。正直、腑抜けられた貴方と戦っても意味が無いんすよ。」
「そう判断するなら、勝手にしてください。俺はあの人の所有物だから、その命令の下でしか動けないんですよ。」
涼太は全てを避けながら呟く。
蓮は見抜かれている事よりも心境が変わった涼太にガッカリした。
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赤雪(プロフ) - まるさん» すみません！気付かず、作っていました。お知らせいただき、ありがとうございます！ (8月8日 20時) (
レス) id: e2d8ee24ac (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - オリ／フラ立ってますよ！💦 (8月8日 20時) (レス) id: 9d56acad26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：赤雪
| 作成日時：2023年8月8日 19時
