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涼太の部屋はシンプル。
部屋の中央にベットだけがある。
窓は無く、光は差し込まない。
「やあ、涼太。」
「……。」
大介は辰哉に言われたからでは無いが、涼太の様子が気になったので己が持つ鍵で開けて許可なく入った。
「元幼馴染、元仲間の騎士たちを殺して後悔してるのかな？」
返事が無く、頭を抱え込む涼太に近付く大介。
「おやおや、何かな、このお香は？涼太にそんな趣味、あった？」
高級そうなデザインのお香が焚かれている。
美しい薔薇を想像できるような香りが漂うが、何故か不愉快に感じた大介はお香を消す。
「あっ…！」
消されて思わず、顔を上げた涼太の目からは輝きが失われている。
「俺以外で誰に貰ったのかな？君の立場から仲良く出来る騎士なんて指で数えるぐらいしか居ないだろう？」
「覚えて…ません。」
「このお香の効能がますます、気になるねぇ。俺の涼太をこんな腑抜けにさせるなんて…。」
(このお香を与えた奴は心底、憎いけれど、これを利用してみるか…。)
「そんなにこの香りが気に入ったのかな？」
「……好き…です。満たされた気持ちになりますから…。」
「へぇ…。涼太、今、君には何が起こっているのかな？素直に全て吐いてみてごらん？」
「独りで居ると…俺が殺した人の声が…聞こえます…。怖くて辛い。でも、貴方が来てからそれが止んだ…。」
そう言って涼太は大介の手を取り、手の甲に忠誠の口付けを落とす。
「……っ！」
(嘘偽り無い顔をしているね。演技ではなく本気で言ってる顔だ。)
大介は一瞬、動揺したが、すぐにいつもの余裕たっぷりの笑みを貼り付け、表情を戻す。
「そう。それは良かったね。そういえば、俺がわざわざ、出向いた本題に入らないとね…。取り敢えず、部屋から出て稽古をつけてくれないかな？」
「稽古…誰の、です？」
涼太は首を傾げる。
騎士の身分では無い己に稽古などと思っていた。
「蓮だよ。彼はますます、意気込んでいるんだよ。涼太の圧倒的な力を見て負けられないってね。」
「貴方のご命令とあらば…。」
涼太は一礼すると部屋を出た。
相変わらず、瞳に翳りが差している。
(お香の効能とは言え、ここまで素直だと気味が悪いね。涼太にはこんな気持ち悪い形では無くて、真の意味で俺を愛してくれないと困るなぁ。)
大介も彼の後を追うように部屋を出た。
勿論、涼太に与えられた奇妙なお香は回収して。
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赤雪(プロフ) - まるさん» すみません！気付かず、作っていました。お知らせいただき、ありがとうございます！ (8月8日 20時) (
レス) id: e2d8ee24ac (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - オリ／フラ立ってますよ！💦 (8月8日 20時) (レス) id: 9d56acad26 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：赤雪
| 作成日時：2023年8月8日 19時
