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涼太は睨みつける。
腕を組み、険しい表情である。
神経を極限まで尖らせ、集中する。
誰が向かって来ても迎撃できるように。

「没落して権力に縋るだけの負け犬のくせに!」

「生意気なんだよ!」

「俺にしてみれば、今の言い回しは何だか…噛ませ犬のような台詞ですね。」

悪い笑みを浮かべ、二人の攻撃を楽々と避ける。
その身のこなしは騎士時代を想起させる。

「おや、力は使わないんですか?切り札を切らずに負けたら、かえって恥ずかしいと思いますが?」

涼太がここまで煽るのかと亮平は少し驚いていた。

「君たちが選ばれたのは一般人には得られない特殊な力を備えているからであって、努力で身につけられるような体術や武術なんて求めていないのに、それで俺に勝とうとする気ですか?」

「涼太も中々、言うようになったねぇ。俺にだけ辛辣だった君が他人にも棘のある言葉を発するのは感慨深いなぁ。」

大介はニコニコしながら喋る。
周りの特殊能力持ちの人が少し冷や汗をかいている。この余裕さが周囲をピリつかせる。

「深澤、大丈夫か?」

「ハァ…二人のおかげで大分、良くなりました。初めて見ましたけど、連携が素晴らしいですね。」

辰哉はゆっくり起き上がってため息を漏らす。

「そこまで望むなら、切り札を切ってあげなよ。」

亮平も大介と同じように余裕がある。
涼太はそれが引っかかっていた。

(何をする気だ。俺が吹っかけたからには責任を持って対処しなければならない。これ以上、アンタの前で恥をかく訳にはいかないからな。)

「涼太、下がっていろ。」

「は?」

これは涼太だけでなく、辰哉や亮平すら思った事であろう。

「ここはお前の出る幕じゃ無い。」

表情から察して大介の発言が冗談では無い事を理解した。

「何を言って…。貴方が死ぬリスクよりマシだ。こんな所で命を落とされては俺が困る。」

目的を果たす為に涼太は大介を守る。
どれだけ周りから罵られたり、誹られても涼太は大介の盾を演じる。

「言っておくが、俺は自分を犠牲にするような賭けには乗らないよ。そんなリスクを背負ってまでやるタイプじゃない事ぐらい、分かるでしょ?涼太が一番、俺を近くで見て来ているのにその反応は何だか、残念だね。」

「……畏まりました。騎士団長の仰せのままに…。」

「黙れ!騎士団長は阿部様だ!!」

男は高らかに叫び、大介とは目が合う。
桃色に輝いていた瞳が薄くなり、やがて色素が消えた。


「な…何が起こった…?」

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赤雪(プロフ) - まるさん» すみません!気付かず、作っていました。お知らせいただき、ありがとうございます! (8月8日 20時) (レス) id: e2d8ee24ac (このIDを非表示/違反報告)
まる(プロフ) - オリ/フラ立ってますよ!💦 (8月8日 20時) (レス) id: 9d56acad26 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:赤雪 | 作成日時:2023年8月8日 19時

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