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大量の酸素を吸い、落ち着いてからやっと助けてくれた人の外見や声がわかった。
『ありがとうございます...たすけてくれて...』
フードを被った彼はフェンスへ背中を預けこちらを見ていた。
「...飯あるん？」
『え...？』
いきなりの話題転換に驚いたがよく考えれば勢いに任せて飛び出してきたため弁当が教室の中だと冷や汗が出る。
でもまた教室に戻って囲まれたら嫌だし...
私が悩んでいるとゾムさんが私の隣になにかの音をガサガサとたてて座る。
そして白いコンビニ袋のようなものを目の前に置き、逆さにすると6つくらいのパンが姿を現した。
「これ全部食おうと思ったやつやけど、食いきれへんから、食って。」
えぇ！？嘘だろ！？これ全部！？
1、2個くらいで満足できる気がするけどなぜ6つも！？
アレなのか？腹の容量わかってない系なのか？それとも誰かと分ける用？？
そんな戦慄している思考の中でも私の中の罪悪感が拒まずにはいられなかった。
『貴方のお金で買ったものだとしたら頂けません』
お金のトラブルが一番ヤバイって聞いた事あるし、何百円と言えどお金には変わりない。
「仕方ない...これは言いたくなかったんやけど...俺、食害するのが好きやねん！」
いやなんのCO？
そんな重大でも深刻でもないものを言われたって...
「だからなんとしてでもAに食わして苦しめたい...！」
土下座しながら小豆パンを渡されるこの光景はカオスでしかない。
しかも普通に重いし小豆パン。
『え、あ...土下座やめてください、細菌つきますよ』
そういえばすぐに除菌シートを取りだし地面についたであろうおでこと手を拭くゾムさん。
変な人だなぁと思いながら私は小豆パンを手に取る。
『頂きます。今度この分の何か渡します。』
私は袋を引っ張り開ければ小豆パンを頬張る。
まだ罪悪感が残っているが、いいよと言われたからいいだろうと正当化しながら2人でパンを食べた。
「食い終わったらこれ、その次これやな。」
『え？』
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作者名：裏 | 作成日時：2022年11月24日 6時
