【d!】恋愛恐怖症の彼女をおとせ！乙女ゲーム！ (ページ15)

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ヒロイン、やっと乙女ゲームを体感するページ15

「お前...なんで出てきた？」

「まぁまぁ、そんな怖い顔するなよゾムくん。」

こうなったのはちょっと前。

今日で何日目か忘れたがまた新しい日を迎えた私。
シャオロンさんのおかげで少し割り切る事ができて、前より背筋は伸びてる気がする。

「おっはーAー」

『あ、ゾムさん、おはようございます。』

「.....なんかええことでもあったんか？」

そう彼もキャラクター、必ずこの行動に何か仕込みがある。
そう考えることによって気持ちが楽になる。

『私的にはいいこと...？』

「え？そんなん聞いてへんぞ。教えろや」

前よりかは自然な会話をしながら2年教室前の廊下を歩く。
生徒たちはちらほらいるが機械だと思えば視線を感じず普通に歩ける。

私達がくだらないことを話しながら教材室へ向かっていると黄色い声援と共に皆がはけていくのが見えた。
直感的に退いた方が良いやつだと思い避けようとするが、それより先にその犯人が私の元へやってくる。

眼鏡に金髪、歩き方、全てが様になっている彼は私を見てからゾムさんを見て怪しげに口角を上げた。
一方私はどういうイベントなのか分からず砂になって消えそうなほど固まっている。

すると固まったのをいいことになのか目の前の人は私の手をとった。

「お会いできて嬉しいよ。私はグルッペン･フューラー。3年生だ。よろしく頼む。」

『え、あ、は＿』

私が返事をする前に手の甲へキスを落とされ、それを見た周りの人達が黄色い歓声をあげる。

乙女ゲームしてる私。無理。

一気に冷や汗が出てくるのがわかる。
そう、こういうファンクラブとかありそうな人にこういう事されると怒りの矛先は私に来るのだ。

ゲームと言えど恋が始まるようなこんな感じのやつはさすがに無理だった。

そして現在。

ゾムさんとグルッペンさんが冷静に討論しているがいつ拳が出てきてもおかしくない状況

こういう時ヒロインだったら喧嘩しないでっ！的なもの言えるんだろうけど
こんな一触即発な空気に割って入りたくないし、しかもそんなことしたら周りのファンクラブの人たちに目つけられる。

どうしたものか...