【d!】恋愛恐怖症の彼女をおとせ！乙女ゲーム！ (ページ13)

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✻ ページ13

何だこの絵画。

1時限置きに渡されるこの絵画、今で4つ目だ。

でも4枚目にしても解読できないまま昼休みになってしまい、弁当と絵画を持ち静かそうな場所に移動する。

私の推測的に友好イベントを断ったら何か違うイベントが発生し、
やり直しのチャンスを与える的なやつかと思ったが...

私は色々考えながら外のなんであるのか分からないベンチに座り考える。

「ソレ...絵っすか？」

少し考えていると上から声が降ってくる。
不自然と思ったらそういうことか

『......あ、そうですね...絵っぽい...』

「趣味っすか？」

『あ、私が描いたんじゃなくて...』

やめてくれ私がこんな悪趣味な絵を描いてると思われたら噂回される。

『...あの、これの意味分かりますか...』

無理だとは分かりながらも目の前の人に縋ってみた。

「クーラー壊れたとか...？」

『.....クーラーが壊れたから直して欲しい...？』

「.....まぁなんにせよ大したことじゃないと思いますよ。」

初めてヒロインさんと出会った。
どこ歩き回っても遭遇できないというか遭遇率が低いからもう存在がないのかと思ってたけど。
しかも初めて会った時用の会話のテンプレあんのに、
いつの間にかシャオロンさんの絵を解読する流れになってしまった。

自己紹介したいけど真剣に考えてるから割り込む事も出来ず、苦し紛れで会話を終わらせる。
さてどうやって自己紹介するか...

ちらっと横を見るとヒロインさんは見るからに気まずそうな顔をしている。
顔をあっちこっちに動かし、リスのようになっている彼女はこちら側の人間だとすぐわかった。

『.....あ、長々すいません...じゃあ...』

ペコペコとお礼をするヒロインさん。
多分ヒロインさんも苦し紛れで会話を切り出した。

「あ、じゃあ...」

俺もいきなりのことで片手をあげるだけのぎこちないさよならになってしまった。

自己紹介できんかったな。

次はどうやって会うか悩みながら小さくなる背中を見送っていれば、
いきなりこちらに方向を変え小走りで帰ってくるヒロインさん。

『お名前聞き忘れてました。』

予想外の所から殴られ、俺は一瞬時が止まった。

「...え、あぁ、1年のショッピっす。」

『ショッピさんお忙しい中すいません、ありがとうございました』

ヒロインさんはそれだけ言うと学校の方へ走っていく

もしかしてそれだけ言いに来たんやろか。
...言動の予測が出来ない人やな

でもまた話してみたいと心のどこかで思った。