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洗面所で手を洗って部屋に戻ると、
阿部ちゃんはソファに横たわってぐったりしていた。
目「また気持ち悪くなっちゃった?」
阿「うぅ……めめぇ……」
ぶり返してきちゃったみたいでかなりしんどそう。
目「ゆっくり深呼吸しようね」
阿部ちゃんと同じ目線になるように横にしゃがんで
そっと髪を撫でる。
阿「はぁっ…っはぁ…んっ」
背中が小さく波打つのと同時に
体を起こして口を押えた阿部ちゃん。
吐いちゃうなと思った俺は袋を阿部ちゃんの口にあてた。
目「出しちゃっていいからね」サスサス
促すように背中をさする。
阿「ぅゔっ…ぇ゛っ…ゲホゲホッ」
吐き気はあるみたいだけどえずくだけで何も出ない。
目「…水飲んでみる?飲んだら吐けるかも」
阿「…(コクッ)」
頷いてくれた阿部ちゃんにコップに入った水を渡すと
半分くらい飲んでくれた。
阿「っは…はぁっ…はぁ」
目「ちゃんと袋持っててね」
阿部ちゃんが吐けるように背中をトントンする。
阿「ゔぇ…おえぇ…ゲホゲホッ…はぁっ」
さっき飲んだ水がバサバサと袋に落とされる。
目「大丈夫?落ち着いた?」サスサス
阿「うん…ごめんね、」
出し切ってスッキリしたみたいだから良かった。
目「体冷えちゃうからこれかけて」
ブランケットを持ってきて阿部ちゃんにかけてあげる。
目「膝枕してあげる。おいで」
阿「…ありがと」
膝の上で寝る阿部ちゃんの頭を優しく撫でる。
この姿を不謹慎ながらも可愛いと俺は思ってしまった。
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作者名:りあ | 作成日時:2022年1月3日 15時