第6話「変わらない身長差。」 ページ7
「Aは何cmだったー？」
「…150…。」
「嘘でしょwwww入学した時と変わってないじゃんwww」
あれから、季節は流れ、夏休みも終わり、いよいよ二学期が始まる時期になった。
なれない学校生活にも、完全ではないが、友達の助けもあり、なんとか過ごせている。
「うるさいな！！物間こそ何cmだったんだよ！」
「僕？僕はね、161cm。4月より3cmも伸びたんだけど…おかしいなぁ…Aももっと伸びていいはずなんだけど。」
「おい、また始まったぞ…。」
「物間君ってなんか…ひねくれてるよね…。」
あれから少し変わったといえば、物間の本性だ。
出会った時は全く分からなかったが、親しくなるうちに本性を表し始めたのか、
性格が本当に悪いのだ。
クラスのみんなはもう慣れてしまっているが。
小学校から付き合いがある友人は、もう諦めがついているようだった。
「お前…いい加減にしないと殴るぞ…。」
「え？僕の方が大きいしA勝つ可能性あるの？」
「うるさい！！！！」
というような茶番劇を毎日のように繰り広げている。
「お前ら静かにしろ！他のクラスは授業中なんだからな！」
担任に怒られ、やっと物間が静まる。
全く…本当に厄介なやつだ。
「あーあー、Aが騒ぐから怒られたじゃん。」
「お前が俺が怒るようなこと言うからだろ…。」
「でもAはそのくらいの大きさが可愛いよ。」
何が可愛いだ。バカにしてるくせに。
「ふん、いつかお前より大きくなった時覚悟しとけよな。」
「あはは、一生来ないと思うけど楽しみにしとく。」
この時Aは追い越す気満々だったが、
結果から言えば、高校に入っても物間より小さいのであった。
第7話「俺達はなんなのだろう。」→←第5話「友達が出来た日」
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作者名：りあお | 作成日時：2018年8月26日 11時
