第8話【伊賀國近】 ページ8
伊賀國近、この本丸の初鍛刀であり、彼もまた未実装刀剣男子である。
初期メンバーのうちの一刀であるのだが、喜怒哀楽の少ない人形のような性格ゆえ、まだこの本丸に馴染めてはいなかった。
最近来た刀剣男子は勿論、初期刀である岳丸とも出陣の際に少し会話を交えた程度で、唯一まともに関わった事があるのは、帆凪藤四郎くらいである。
刀剣男子が増え、広く虚無的だった本丸は、少しずつ賑やかになって来ているのにも関わらず、伊賀は責務を除く空いた時間は、自室の本体の前に正座し、眺めているだけであった。
今日もまたそれは変わらず、他の刀剣男子や審神者が鍛刀や雑談をしている中、伊賀は内番を終えた後に本体を眺めていた。
(………!)
そんな時、ふと外にこの本丸の者では無い何かの気配を感じ取った伊賀は瞬時に眺めていた本体を手にして、鞘に手をかけたまま襖を開けた。
「おおお! 伊賀さま!」
そこに居たのは意外な人物、いや、動物で、この本丸最初の出陣やら鍛刀やらを色々と指導してくれた政府の使い、こんのすけであった。
それが分かると先程の警戒を緩め、今にも抜刀しそうだった体勢を通常通りに戻す。
「…こんのすけ様、先日はお世話になりました。して、この本丸に何か御用でしょうか」
「政府から審神者さまに出陣の命が下りましたので、私はそれを伝えに参りました」
審神者が鍛刀をしているので、ちょっとした業務連絡ならば、鍛刀が終わるまでお茶でも飲んで居てもらおうと思ったのだが、そうもいかないらしい。
「承知しました。主様は現在、鍛刀部屋にいらっしゃいますので、不要かと存じますが、ご案内させて頂きます」
そう言って伊賀とこんのすけは審神者の元へ向かった。
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赤信号(プロフ) - 更新終了しました。 (2019年4月23日 0時) (レス) id: 674c6f2783 (このIDを非表示/違反報告)
赤信号(プロフ) - 更新します。 (2019年4月21日 23時) (レス) id: 674c6f2783 (このIDを非表示/違反報告)
学園運営者(プロフ) - 終わりました。 (2019年3月30日 11時) (レス) id: 671ce60c1e (このIDを非表示/違反報告)
学園運営者(プロフ) - 連続で申しわけありませんが更新します。 (2019年3月30日 10時) (レス) id: 671ce60c1e (このIDを非表示/違反報告)
学園運営者(プロフ) - 終わりました。 (2019年3月10日 23時) (レス) id: 671ce60c1e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:時の政府(ニセモノ) x他8人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/tekitouni
作成日時:2019年1月23日 0時