【小説版】政府未実装しか居ない本丸【刀剣乱舞募集企画】 (ページ14)

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第15話【牡丹切永鶴】※中傷描写注意ページ14

古都京都。

時は応仁の乱______

戦国と室町の境界、椿寺。

そこで第二部隊は戦っていた。

______苦戦している。

粟田口が一振り、太刀『篠村国吉』はやや焦りを感じていた。自分を含めた周囲で戦っている仲間の殆どが軽傷、またはあと一歩で中傷になりそうなぐらいには消耗しているからである。

第二部隊の隊長である脇差『帆凪藤四郎』の流石初期組というべき指揮統率によって今は五分五分といったところで保っている。が、相手もそこはやはりボスといったところか、中々に手強い。

帆凪のような初期組の刀剣はともかく、まだ練度の低い自分はあと数撃浴びたら確実に中傷、もしくは重傷になるだろう。この隊はレベリングが目的の部隊だ。必然と練度の低めな者が集まる。

実際、国吉以外の男士たちも全員練度や経験が低い。その為敵の太刀や短刀の攻撃を完璧に捌ききれておらず、大きな怪我こそ無いものの、小さいがダメージが蓄積している。いつ中傷以上になってもおかしくない。

第二部隊は決して弱い部隊ではない。二振りいる敵の薙刀の刀装を剥がし、中傷にしている。そして、敵の太刀二振りの内一振りは斬田串の渾身の一撃によって頭から串刺しにされて消えている。しかし、篠村国吉は今のところ功績を挙げていない。それが彼の焦りを助長させていた。

「それぇ！」

帆凪の攻撃によって敵の槍と薙刀の刀装が剥がれる。体制を崩した槍に国吉は襲い掛かる。だが、横からもう一振りの敵太刀による体当たりを食らい、漆喰の壁に背中から激突した。

金の四本の線が特徴的な濃紺の粟田口軍服は所々が千切れ、ほつれ、土埃に汚れて灰色のシャツには血がシミを作っている。背中で誇らしげに翻っていた布や黒いネクタイはボロボロで見る影もない。

重傷寄りの中傷。経験の浅い隊員たちは恐らく初めてであろう、重傷や中傷という概念に息を飲む。注意が自分たちから逸れたことを敵は見逃さず、槍の石突きや薙刀の柄による攻撃が隊員たちを襲う。腹や背中に食らい、体をくの字に曲げた男士たちが次々と漆喰の中へ埋もれていく。漆喰が砕け、土煙が舞う。

「悪い、帆凪……ちとしくじった…」

「気にしないで、篠村叔父上！あとは僕に任せてよ。」

本体を地面に刺し、支えにしてふらふらと立ち上がった国吉に帆凪が微笑みかける。帆凪の勝色の髪がさらりと揺れ、紫翡翠を思わせる藤色の瞳に挑戦的な光が煌めいた。

「僕は！毛利水軍安泰を代表した刀！！矜持くらいあるんだよっ！！！」