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第14話【桜華定代】 ページ13

鍛刀部屋から聞こえてくる涙声。恐らくまた未実装なのだろう。
畑の方にいても聞こえてくるなんてどんだけでかい声なのか
と、兄弟である柴守定代と縁側で休憩しながら思う。


何の因果なのかは知らないが、ここの本丸にくるのは未実装。俺達兄弟もその内の二振りだ。柴の方は最近来たばかりだが、俺は12,3番目くらいに来たから多少驚きはするもののまぁ、慣れた。



________________________



俺が顕現したときは先ず不運だ、と思った。言葉では表現しきれないほどの不思議な動きをした人間。可笑しな狐に恐らく刀剣であろう男。目の前にいる変な人間が俺の主だと直感的に思った。

「また未実装なんて、不運だぁ…………」

なんて主が言うもんだから俺はまた、前の主のように不運にしてしまったのか、と思い悲しくなった。


その後、岳丸という刀剣から聞いたが俺は未実装。しかも以前来た刀剣もすべて未実装だと聞かされた。主の奇行もいつもの事らしい。だからといって俺の心は晴れない。すでに来ている刀剣に挨拶をしなければ、と溜め息をついた。


先に来ていた刀剣は皆、未実装だということに関して気にしていない様子だった。主も途中でやって来たが未実装だからといって無下にはされなかった。そこで俺は主に聞いてみた。

「さっき未実装だって、不運だって言っていたのに何で俺と普通に話してくれるんだ?」

すると主は

「皆と会話するのに未実装っていうのは関係無いよ?さっきは落ち込んじゃったけど……………。でも、また鍛刀すれば良いだけの話じゃない?」

と、不思議そうな顔で言っていた。




_________________________





「…………………かくん、桜華君!内番の途中ッスよ!いつまで寝てるんスか!早く続きするッスよ!」

「お、おぉ。悪い」


俺はいつの間にか寝ていたみたいだ。俺が顕現した頃の夢を見ていたらしい。柴はそっとしておいてくれたみたいで仕事は寝る前より進んでおり、俺に毛布を掛けていてくれていた。


俺は自分が顕現したときの事を思い出してみた。確か、俺が思わず吹き出したからか、周りの皆が戸惑っていた。その時の主の慌てた様子が可笑しくてまた、吹き出してしまった覚えがある。


その時の主の様子が頭に浮かんできて縁側で一人で笑った。
そろそろまた柴に怒られるな、と思いながら毛布をたたみ、内番の続きをやりに俺は畑に向かった。

第15話【牡丹切永鶴】※中傷描写注意→←第12話【小桜藤四郎】



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赤信号(プロフ) - 更新終了しました。 (2019年4月23日 0時) (レス) id: 674c6f2783 (このIDを非表示/違反報告)
赤信号(プロフ) - 更新します。 (2019年4月21日 23時) (レス) id: 674c6f2783 (このIDを非表示/違反報告)
学園運営者(プロフ) - 終わりました。 (2019年3月30日 11時) (レス) id: 671ce60c1e (このIDを非表示/違反報告)
学園運営者(プロフ) - 連続で申しわけありませんが更新します。 (2019年3月30日 10時) (レス) id: 671ce60c1e (このIDを非表示/違反報告)
学園運営者(プロフ) - 終わりました。 (2019年3月10日 23時) (レス) id: 671ce60c1e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:時の政府(ニセモノ) x他8人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/tekitouni  
作成日時:2019年1月23日 0時

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