検索窓
今日:13 hit、昨日:0 hit、合計:5,127 hit

第2話【岳丸】 ページ2

「岳丸だ。ちっとやそっとの事では折れないだろうから、遠慮なく使っ…、……。」

始まりは確か、こんな感じだったはずだ。
気絶して畳の上で大の字になっている主であろう人間と、此方をぽかんと見つめるこんのすけ。
何をそんなに驚いているのか、とぶっ倒れた主を横目にぼそっと聞いたところ、幾らか事情を説明してくれた。
まず俺は此奴にとっての、所謂初期刀という存在らしい。初期刀は政府に定められた5振りの打刀の中から選ばれるのだが、他の新人審神者達に5振りをそれぞれ引き渡してしまった為に丁度手元に刀が無く急遽鍛刀して出来た打刀が自分、という事だ。
こんのすけが気絶している主の手に握られた冊子を取り上げ、持たせてくれる。実装された刀剣男士が載っている刀帳のようだ、が。
自分の詳細が載っていない。
存在すらも書かれていない。
…おかしい、とやや焦燥を感じながら何度も見返すが、何処にも載っていなかった。「実装済み」が載った刀帳に載っていない、これが意味する事はただ一つ。
「未実装」である____。



まぁ何やかんやで新しい主とは上手くやれている。政府へ提出する鍛刀報告書ほか大量の紙の山を机に積み上げたまま、鍛刀部屋で自ら大量の資源を投入しているのは少々問題ではあるが。
そして先程も、帆凪の本丸案内後に3回目の鍛刀資源投入作業を手伝ってきたところだ。

この異常現象だらけの本丸で、鍛刀2日目にして凝っている肩を大きくぐるりと回しながら廊下を歩いていると、前から「お疲れ様ですー」と弾むような帆凪の声が飛んで来た。

「帆凪か。先程は雑な対応ですまなかったな…色々感情の整理をするので精一杯だったんだ。改めて、これから宜しく頼む」
「いやー、さすがに未実装3連発は精神的に来るでしょうからね、仕方ないですよ。あ、ところで鍛刀の方はどんな感じですか?」
「ああ、早速650とかいう凄い数を投入してたな。もう片方の鍛刀部屋じゃ100統一で作成してるはずだ」
「!そうですか…!じゃあ兄弟が来るかもしれないですねーっ、楽しみだなぁ…えへへ」

帆凪がにんまり嬉しげに笑みを浮かべたその時、丁度、ある種の直感のようなものが体を駆け抜けた。
恐らく新入りだ。通常この速さで完成する事は無いだろうから、手伝い札を使ったに違いない。

すると同時に鍛刀部屋の方から悲痛な雄叫びが響き、暫しの静寂の後、二人は顔を合わせて悟った。

…未実装、である。

第3話【 焔丸 】→←第1話【帆凪藤四郎】※ショタコン注意



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (16 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
20人がお気に入り
設定タグ:募集企画 , 刀剣乱舞
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

赤信号(プロフ) - 更新終了しました。 (2019年4月23日 0時) (レス) id: 674c6f2783 (このIDを非表示/違反報告)
赤信号(プロフ) - 更新します。 (2019年4月21日 23時) (レス) id: 674c6f2783 (このIDを非表示/違反報告)
学園運営者(プロフ) - 終わりました。 (2019年3月30日 11時) (レス) id: 671ce60c1e (このIDを非表示/違反報告)
学園運営者(プロフ) - 連続で申しわけありませんが更新します。 (2019年3月30日 10時) (レス) id: 671ce60c1e (このIDを非表示/違反報告)
学園運営者(プロフ) - 終わりました。 (2019年3月10日 23時) (レス) id: 671ce60c1e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:時の政府(ニセモノ) x他8人 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/tekitouni  
作成日時:2019年1月23日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。