君がいる世界へ【Felix・ピリ】Straykids (ページ28)

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『、、それに、最近よく夢を見るんです。

すごく暖かくて、心地よくて、安心する誰かが私に話しかけてくれるんです。

でも、顔だけ見れなくて、声もぼんやりしてて。

それに、関係してるような気がして。』

普通なら信じない、子供の話のように流すはずなのに。

ﾖﾝﾎﾞｸ｢はは、そっかぁ｣

嬉しそうに涙目な笑顔を向けてくれるヨンボクさんや、どこか安心したようなみんなの顔を見ると、この話をして間違ってなかったって気がしてほっとした。

ﾊﾙﾄ｢それ、俺も最近見る。

誰かが話しかけてくるんだ。

俺と話そう、やってみようって、。｣

やっぱり。これが、ヨンボクさんやみんなが私たちに求めている少しの欠片なんじゃないか。

私は心のモヤモヤがだいぶ軽くなって、自分自身でも思い出したくなった。

私は、どんな経験をしていたんだろう。

だいぶ遅い時間になってみんなで店を出ることになった。

いつの間にかバンチャンさんが全員分の会計を済ましていてくれてハルトとお礼を言った。

すっかりご機嫌なダウンとみんなは先に帰ってしまい、ヨンボクさんと私だけが取り残された。

ﾖﾝﾎﾞｸ｢もう、だいぶ遅くなっちゃったね。

家まで送ってもいいかな？すこし心配でさ、｣

スマホの時計を見ると12時を回ろうとしている。

『、、じゃあ、お願いします、笑』

断るべきだったんだろうけど、なんだか断る気にはなれずお願いしてしまった。

ﾖﾝﾎﾞｸ｢んふふ笑
素直でよろしい笑｣

ニコッと笑ったヨンボクさんは笑顔が素敵でこちらまで温かい気持ちになる。

今日も私に気を使ってくれたり、寄り添ってくれたり、、

『なんでこんなに優しいの』

ﾖﾝﾎﾞｸ｢、、ん？｣

『、、あ。』

気づいたら声に出ていたようで、ヨンボクさんの足がとまる。

ﾖﾝﾎﾞｸ｢優しい？、僕が？｣

｢えぇ、？｣と不思議そうに顔をしかめるから、自覚してないのかこの人は、、と少し呆れそうになる。

『もしかして、自分が優しいって分かってないんですか？』

私が改めて聞くと、｢優しくなんてないよ笑｣と言われる。

ﾖﾝﾎﾞｸ｢だってさ、よく考えてよ。

Aは僕を覚えてないけど、無理にでも思い出させようとしてるんだよ？

知らなくても別にAは困らないのにさ笑

それに、その昔から僕はAを解放してあげてないんだ。

こう考えてるとさ、Aが可哀想じゃない？笑｣