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その後はよく覚えていない。
メンバー達が、帰ってこない僕を心配して迎えに来てくれた。
そして泣き崩れている僕に、何も言わずにただ抱きしめてくれた。
でも、やっぱり話さなくちゃだめだ、と思ってゆっくり言葉につまりながらも、さっきの出来事を話したような気がする。
その後はどうなったんだっけ。
あ、そうだ、泣き疲れて寝ちゃったんだ。
久しぶりに8人で寝た。
すごく嬉しかったし暖かかったはずなのに、僕の心はぽっかりと穴が空いたようで、すごく寂しかったのを覚えてる。
神様はなんて意地悪なんだろう。
、、、A、僕を思い出してよ、。
また僕の頬に、一滴の涙がつたった気がした。
リノside
ヨンボギが泣き崩れていた。
あまりにも帰ってこないから心配になってみんなで迎えに行くと、壁に寄りかかって泣き崩れていた。
みんな、一目みて思った。
Aを見つけられなかったのか、
Aには再会できたけど既に別の相手がいたのか、と。
詳しくは分からなかったけど、予想できるのは良くないことなんだろうってことだけだった。
何とかヨンボギをバスに乗せてホテルに向かう。
その時のヨンボギの様子は正直、酷いものだった。
まともに話すことが出来ない上に、涙も止まることを知らない。
手に持つハンカチを握りしめて、A、、A、、って名前を繰り返し呟いている。
マネージャーは心配そうな顔をしたが、俺たちを配慮してか、何も聞いてこなかった。
バスにはヨンボギの慟哭する声がただただ響いていた。
そしてやっと部屋に着き、ヨンボギをベッドに座らせる。
ヨンボギは少し落ち着いたのか小さな自信を失ったような声でさっきの出来事を話してくれた。
悔しかった。
まさか、Aが記憶を失っているだなんて。
遂にはメンバー達まで泣きそうな顔をしていた。
俺も我慢はしたが、ヨンボギを見るとどうも苦しい。
今は血は繋がっていないが、実の弟だった時のヨンボギは本当にAを想い続けていた。
ヨンボギ含め俺達は歳をとるのに、いくつになっても恋人をつくらず、娶らなかった。
何十年も待ち続けたヨンボギがやっと今日報われると、メンバー全員が喜んだのに、。
きつきつになりながらも8人でヨンボギを囲む。
今の俺達にできることはこれくらいしか無かった。
目をつぶったリクスの涙を親指で優しく拭った。
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りぃ(プロフ) - やった✌🏻 (11月19日 19時) (レス) id: 67a7fe821e (このIDを非表示/違反報告)
のり - つづきはやくみたいな😵 (11月19日 0時) (レス) @page11 id: a83dcf1b24 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りぃ | 作成日時:2023年11月13日 18時