君がいる世界へ【Felix・ピリ】Straykids (ページ17)

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『、あの、。

大丈夫ですか、？』

Aは小さく呟き僕にハンカチを渡した。

なんでハンカチ、？

『涙、出てますよ、』

、いつのまに出ていたんだろう。

気づかなかった。

でも、Aは僕を覚えてないんだ。

初めて僕に好きって感情を教えてくれて、ずっと守りたいって思わせてくれて、、

Aとなら必ず逢えると信じていたのに。

僕を覚えていないなんて。

その事実を突きつけられているこの状況は僕にとってあまりにも辛すぎた。

ﾖﾝﾎﾞｸ｢！、

ごめん、

困らせて、ごめん、っ｣

僕はもうそこにいるのは限界で、Aに背を向けて走った。

『えっ、』

戸惑うAの声が聞こえたが僕は振り返らなかった。

ごめん、A。

でも僕は今受け入れられるほど強くないんだ。

苦しくてどうしようもなくて、もう消えてしまいたかった。

、、大好きなんだ。

君に会いたかったんだ、ずっと。

次君に会えたら絶対に離さないって思ってた。

ぎゅっとハンカチを握る力が強くなる。

Aに話したいこと沢山あるのに。

この時代に来て初めてカップラーメンを食べた時に君を思い出したこと。

JYPのオーディションに挑戦したのも君を見つけやすくなるためだったこと。

辛い時や苦しい時はAを思い出して諦めずに頑張ってきた。

Aを浮かべればなんだって踏ん張れた。

なのに、、

『今は、

、、Aを想うことが1番苦しいよ、』

涙が溢れて止まらないんだ。

声だって、顔だって、今は情けないんだ。

こんなところでアイドルが泣いてるわけないから、もちろん誰も僕がフィリックスだって気づかない。

ねぇA、

せっかくまた会えたのに、

僕の記憶が無いなんてあまりにも酷いじゃないか。

今は胸が張り裂けそうなくらいに苦しいだけだった。