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小さい頃想い描いた、キラキラの将来の夢を
大人になって叶えられた人は
果たして何人いるのだろう。
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『大変申し訳ございません』
そう深々と頭を下げる私の後ろに、
平気な顔をしたアルバイトスタッフ。
自分が悪くなくても、どんな理不尽なお客様でも
謝罪をしなければ生きていけない。
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休みが少ない。残業は当たり前。
偉くなればなる程、陰口も上からのプレッシャーも
耳を塞ぎたくなるほど襲ってくる。
そんな毎日が苦しくて
今日もDVDプレーヤーを起動する。
画面に映る彼は、昔の過去を乗り越えて
誰よりも眩しく輝いている。
『私も手越くんみたいに輝けたらな。』
そう一人呟いても
誰かが慰めてくれる訳じゃない。
まあ……私なんか見向きもしないだろうな))
かわいい服も女の子らしい事も
【仕事が忙しいから】
なんて言い訳して努力してない。
そんな私を、愛してくれる人なんて……。
いるはずないんだ…………。
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悲しくなって目を閉じると
彼の綺麗な歌声が耳に響く。
その声に聴き入りながら
私は眠りについた。
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その日から、STORYが始まるとも知らずに。
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作者名:ria | 作成日時:2020年3月5日 7時