其の386 ページ36
A「抱き着け、ってことか?」
カカシ「そういうこと。
ほら、早く」
カカシには見えていないものの、
私の背後にはミナトさんがいる。
チラリと彼の表情を確認すると、
行っておいでと言わんばかりに大きく頷き、
私に背を向けてきた。
自分は見ませんよ、
ということか。
A「......ん」
両腕を広げたまま
ピクリとも動かないカカシに負け、
ゆっくりと彼に歩み寄り、
胸の中に飛び込んだ。
今日くらい、いいか。
私がさらわれて一番心配してくれたのは、
誰でもないカカシだ。
任務前の今日くらい、
彼のやりたいようにやらせてあげるのも
お礼の一つだろう。
カカシ「どこまで行くの?任務」
ぎゅうと抱き締められた状態で、
片耳を彼の胸板にピタリとくっつける。
A「砂隠れ。ちょっとした情報収集に回された」
すると、
ドクドクと規則正しい心音が
聞こえてきた。
カカシ「誰と?」
それが妙に心地良いと思ったのは、
ここだけの秘密だ。
A「テンゾウを隊長として、コテツとイズモのフォーマンセル」
カカシ「......そうか。
(テンゾウがいるなら安心だな)」
A「カカシ、体調は?まだ重い?」
カカシ「起きたときよりはだいぶマシになった。
ありがとう、幻術解いてくれて」
A「ううん。家族として当たり前のことをしたまでだよ」
カカシを見上げてニッと笑えば、
なぜかさらに強く抱き締められた。
息苦しいのを我慢しながら、
ここは黙っておく。
カカシ「ふふ。いいね、“家族”っていう響きは」
A「ほっこりする?」
カカシ「ほっこりする」
A「にゃははー」
ミナト〈(ああも早くにサクモさんを失えば、ね)〉
カカシ「......(離れたくないな)」
A「......(いつ離してくれんだ?ちと時間が)」
カカシ「......ま、なんだ。
道中、気を付けてな。砂隠れは条約を破った輩がたくさんいる。
油断しちゃダメだぞー」
そう言って、
心なしか名残惜しそうに私を離すカカシ。
A「わーってるよ。戦闘にはならないだろうし、死んで帰ってくることはないよ」
体勢を整えた私は、
彼に向かって拳を突き出し、
安心させるべく再びニッと笑った。
カカシ「あぁ、信じてるよ。総隊長」
コツンと拳同士が重なり、
カカシもニコッと微笑んでくれたのを最後に、
私はテンゾウ班の一人として里を出た。
【いってきます】
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ri_ta0077(プロフ) - 雪華さん» コメントありがとうございます!基本的にはジャンプアニメですね。赤髪の白雪姫なども好きですよ! (2019年2月18日 23時) (レス) id: 16552bc706 (このIDを非表示/違反報告)
雪華 - 知ってるアニメは何ですか? (2019年2月18日 17時) (レス) id: 1286db9797 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:NASHI | 作成日時:2018年2月6日 23時