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2 踊る(White) ページ7

見渡す限り、人、人、人。





圧倒的なダンスパフォーマンスに魅せられた人たちの足取りは、どことなくおぼつかない。





自分もおそらくその一人だけれど、ただでさえ歩きにくい人混みで倒れてしまわないよう無理やり両足に力を込めて、ひたすら人の間を縫うように歩く。









「…おばさん!」





俺の声で、前の方にいる女性がこっちを見た。人混みの中を進む俺を見て、その顔に困惑の色が浮かぶ。







「如恵留くん、大丈夫?こんなところ歩いて…」





やっと話ができる距離に来ると、おばさんは気遣わしげに俺を見た。笑顔で頷いてみても、その表情は完全には和らいでくれない。





「全然平気ですよ。それより、ちゃか……じゃなくて、海斗。本当に、かっこよかったです。」



「…そう?ありがとう、海斗も喜ぶわ。」





しみじみと言った後は、差し入れのお礼とか当たり障りのない短い会話に終始した。そろそろ話を切り上げてお暇しようかと思った頃、それを察したのか、おばさんの声色が変わる。







「よかったら、また顔見せてちょうだい。きっと、あの子もそうしてほしいと思う。」





それはどうだろう、と思いつつ、「はい」と声に出して頷く。そのまま俺は、また人の波に1人で分け入っていった。










会場近くの駐車場に着く頃、右足がズキズキと痛み出した。でも、まだそこまでひどくはない。早く家に帰って休もうと、車のドアに手をかけた時だった。







「…如恵留!」





はっと息をのんで、後ろを振り向く。ステージ用のメイクを施した顔。でも、その隙間から変わらない幼さの欠片が見える。







「…海斗。どうして、」



「母さんから聞いて。それで…」





走ってきてくれたんだな、と上下する肩を見て思う。海斗は手元のスマホに視線を落とした後、こっちに一歩近づいてきた。

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おさと(プロフ) - 6chanさん» 6chan様、コメントありがとうございます!短編のシリーズからお読みいただいていたとのこと、とても嬉しいです😭引き続き、こちらの作品にもお付き合いいただけますと幸いです! (2023年3月9日 22時) (レス) id: de6645fa3a (このIDを非表示/違反報告)
6chan(プロフ) - 短編の時から好きなお話でした。が、まさか、更に障害系要素が増えて、更にこれからが楽しみです! (2023年3月9日 0時) (レス) id: f726c31193 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:おさと | 作成日時:2023年3月4日 19時

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