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「だから、大丈夫ですって。」
「いや、でもさっき、めっちゃ具合悪そうだったし…」
心配そうに俺を見上げながら、吉澤さんが俺の後をついてくる。
…いや、別に後をつけてるわけじゃない。吉澤さんは、俺が住んでるアパートのお隣さんだ。俺が107号室で、吉澤さんが106号室。帰る場所が、同じなだけだ。
「あの、マジで何かあったら呼んでください。何か、できることあれば…」
途中で口ごもりつつ、吉澤さんは自信なさげにうつむいた。今はレインコートで隠れているけれど、たしかこの人は…
「…まあ、あの。足は、ないっすけど。でも、意外と一通りのことはできるんで。」
本人の口調は思いのほか軽いけれど、俺にとってはその言葉が重い。ずっと気にはなっていた。吉澤さんは両足とも、膝から下がない。
「いやいや、そんな暗い顔しないでくださいよ。まあ、その、気軽に声かけてくださいってことで！じゃあ、えっと……おやすみなさい！」
強引に話を終わらせると、吉澤さんは素早く自分の部屋に入っていった。そんなに暗い顔をしていただろうか。だとしたら失礼なことをしたな、と思いながら、俺も自分の部屋に入る。
「ただいまー…。」
誰もいない部屋に挨拶をして、重い体をベッドに投げる。ぼす、と体が布団に沈む音がして、埃が舞った。
案の定、乾いた咳が出た。ケホケホ、と咳き込みながら体を起こす。
物心ついたときから悩まされてきた喘息も、大人になってからはほとんど症状がなくなったけれど、こうしてたまに顔を出すことがある。
例えば、今日みたいに軽くパニックを起こしたとき。それから、疲れているとき。埃っぽい、空気があまりよくない環境に来てしまったとき。
最近忙しくて掃除もサボってたからな、と反省をしながら、ゆっくりとベッドから立ち上がった。
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おさと(プロフ) - 6chanさん» 6chan様、コメントありがとうございます！短編のシリーズからお読みいただいていたとのこと、とても嬉しいです😭引き続き、こちらの作品にもお付き合いいただけますと幸いです！ (2023年3月9日 22時) (
レス) id: de6645fa3a (このIDを非表示/違反報告)
6chan(プロフ) - 短編の時から好きなお話でした。が、まさか、更に障害系要素が増えて、更にこれからが楽しみです！ (2023年3月9日 0時) (レス) id: f726c31193 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おさと | 作成日時：2023年3月4日 19時
