人生二回戦目は求めてない。2【名探偵コナン】

97話 ページ48

その後
メリメリと私の顔面を剥がし
黒羽君の顔が姿を現した

剥がされる瞬間
自分の顔のありえない事態に
少し体調を崩しかけた

｢前会った時、無気力そうに見えたから姿勢も歩き方も合わせたのによー。｣

｢工藤君、こいつ失礼だな。｣

｢お前よりによってAさんはやめとけよ。｣

｢なんでだよ。｣

｢周りにいる人間がややこしいから。｣

｢はぁ？なんだよそれ、国やら世界やらの規模じゃあるまいし。｣

そう言うと黙って黒羽君を見つめる工藤君

｢...まじ？｣

｢公安とFBIは出てくんぞ。｣

何だか化け物を見るような目で見られる
出てこないよ大丈夫
私が巻き込まれてるだけだから

怖くない怖くないという気持ちを込めて
首を左右に振った

｢いや、待て。違うだろ、そこじゃねぇよ。｣

突然何かを思い出したように
黒羽君が口を開いた

｢今Aちゃんどうやってきた？ここに｣

あぁそういえば

｢魔女かなんかか？｣

｢...流石に痛くない？魔女設定は。｣

｢いんだよ俺の知り合いに！｣

そんなアイタタがいるのか...？
魔女はキッパリ否定しながらそう思う
30歳の魔女っ子は世間が許さないし
私の羞恥心がキャパを超える

｢これは、間違えたんだよ。｣

苦し紛れに出た言葉がそれか
という顔を工藤君から向けられる

誤魔化しは周りにいる誤魔化しのプロに任せている為
自分自身はそんな上手い言葉選びは出来ないのである

いつものお返しに助けろ小さい探偵

｢キッド、お前の得意分野だろ。マジックは。｣

そうなの？

｢いや...でも何も無いところから出たろさっき｣

｢天才マジシャンのキッドもお手上げかよ｣

煽る工藤君
そして悔しがる黒羽君

ムキになったらしい彼は
そのうち見破るらしい
絶対無理だよ

何はともあれ工藤君に助けられたこともあり
その場は収まった

｢んだよこの顔でオシャレに喫茶店にでも行こうと思ったのに。｣

そう言って私の顔を指差す

その指が逆に曲がる前に引っ込めろ

｢もしかしなくてもポアロか？｣

｢よく分かったな名探偵｣

｢それこそやめとけ｣

確かに私の顔でポアロでやらかされたくは無い

｢イケメンの店員だっけか？この顔使って口説けばイチコロだろ。｣

｢｢本当にやめとけ｣｣

私の顔でとんでもない事をやらかす予定だったらしい

アフターフォローという名のとばっちりを食らうのは
間違いなく私だ

なんとしてでも阻止する

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