人生二回戦目は求めてない。2【名探偵コナン】

88話 執行人編 ページ38

｢私は誰でも助けられる訳じゃないよ｣

｢じゃあ俺達は何で助けられたの？｣

｢研二君はたまたまだし、景光君も偶然居合わせたからだし。でも陣平君は、他人に助けられる準備があったでしょ。｣

｢準備？俺なんもしてねぇけど。｣

｢間接的だけど、研二君が私に助けを求めたでしょ。｣

力がいくらあったって
助けられる準備がない人は
どうやったって助けられないのだ

｢じゃあ、Aさんの言う助けられる人って...｣

｢他人に救われる準備がある奴だけ。素直に助けを求めれる人、自分は守られる側だと理解している人、助けを拒まない人。｣

それ以外は
私には手に負えない

冷たいように思うだろうが
私は正義のヒーローでは無いのだ

｢でも大丈夫。景光君が作るご飯分は助けるから。｣

普通なら渋るか断るかの頼みに
彼の日頃の行いの良さ
私の生活水準への貢献度を見て

頼みを聞こうと思った

｢隠蔽作業で死にたくなるほど助けてあげる｣

それを聞いた友達思いの3人組は
嬉しそうな顔をしていた









｢景光君助けてーーー｣

時には私も助けてもらう側に
なる事もある

あの後重い話題から切り替わり
和気藹々と酒盛りを進めた

ある程度眠気が来たところで
一応客の2人を
空いている部屋で適当に寝てもらおうと
案内しようとした

が

｢お泊まり会なんだから皆で布団並べよ｣

お前一体いくつだと思ってるんだ

だが陣平君も景光君も研二君に悪ノリして
結局布団を並べて寝る事になった

挟まれるのは嫌なので
端だけは死守した

そのままゆっくり寝るはずだった
だがそう上手く行かない

寝心地の悪さで起きると
コアラが2匹いた

いやそんな可愛いものでは無い

何故か両サイドから
ほぼ私の胴体を絞めるように腕が巻かれていた

景光君は既に朝食の用意をしに
下へ行ったのだろう

寝起きで出しずらい声を
1階の彼に届くように出す

至近距離で大きな声を出した為
眉を寄せてウザったそうにされる

呑気に寝てるんじゃないよ全く

助けを求めてすぐ
ヒーローがフライパンとお玉を両手にやってくる
こんなヒーローは嫌だランキングは
ぶっちぎりの1位だ

私の両手は無事な為
これから来る衝撃に備えて
両耳を塞いだ

真顔でフライパンを叩き散らす景光さん
正直怖い

でもお陰で
体は開放され
2人は悲鳴をあげて起きた

後々2人に聞いたが
空襲かと思ったらしい

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