87話 執行人編 ページ37
私は別に
何かを守るとか
何かの為にだとか
そんな素晴らしい目的などは無いまま
呪術師をやっていた
理由は至ってシンプル
人よりも多い呪力に
人よりも優れた術式
人よりも秀でた身体能力
たまたま自分の能力が恵まれていただけ
そこまで努力せずとも
すぐに上級まで上れた
高専で呪術師としての日々を過ごし
やがて教師になった時には
特級呪術師という
大層な階級を頂いた
呪術師というのは
イカレている
だから私の周りも
変な奴が多かった
自覚は無いが
きっと私も普通では無い
「私、強いでしょ。」
「ん?あぁ、Aさんは強いな...?」
「何だよ急に、自慢か?」
「でも国の為に力を使おうと思った事はないし、今後も一生思う事は無いと思う。」
「確かにAちゃん、国の為に〜って動く柄じゃねぇな。」
何だか失礼な言い方にも聞こえたが
敢えて触れなかった
「Aさんは、何の為に戦ってたの?」
景光から問い掛けられる
「私はね」
3人は
私の答えを静かに待つように
視線だけがこちらに向けられている
「自分の為に不平等に人を助けてた。」
「自分の為...?」
「誰彼構わず平等に助けるヒーローじゃないから、せめてこの手の届く範囲にいる人は救えるように。」
私が力を使う時なんて
自分の為でしかない
「Aさんはそのままで良い思うよ。」
「自己中心的で?」
「ゼロは確かに国の為なら、ある程度の犠牲は仕方ないと思ってるし、公安である限り今後も国を守る為なら手段は選ばない。必要に迫られれば、迷わずに自分でさえ切り捨てる。」
景光君の説明により
彼が
自分が想像していたより
ややこしい立場にいると察した
「自由に動けるように見えて、アイツが1番不自由だな。」
「俺にも陣平ちゃんにも公安は向いてねぇわ」
「だからさ、これは俺からAさんへのお願いになっちゃうんだけど...。」
改まる景光君
なんだか色んな人の頼みを聞いている気がする
7つの玉集めてから出直して欲しい
「ゼロがもし危険な時は、俺や萩原、松田を助けたように...救ってやって欲しい。あいつは、守ることに必死なくせに、自分を守ってくれる存在はいないんだ。」
「可哀想だね」
強者になればなるほど
立場が上になればなるほど
己を守ってくれる存在は少なくなっていく
そして最後は
己を守れるのは己のみ
強者はいつだって孤独だ
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鮫のこ(プロフ) - saoさん» コメントありがとうございます!1話からここまでお付き合い下さって感謝しかありません...。少しでもsao様のお仕事の励みになれるように頑張りますね^^ (5月23日 0時) (レス) id: 011fb61706 (このIDを非表示/違反報告)
sao - 1話から読んでます!呪術とコラボとのことで気になって読んでみたところめっちゃハマってしまいました(笑)続きが気になって仕事がなかなか進まないくらいです!w更新楽しみにしてますね♪ (5月22日 22時) (レス) id: 5783d3925f (このIDを非表示/違反報告)
鮫のこ(プロフ) - シンヤさん» コメントありがとうございます!お褒めの言葉とても嬉しい限りです...。引き続き更新頑張りますね^^ (5月22日 4時) (レス) id: 011fb61706 (このIDを非表示/違反報告)
シンヤ(プロフ) - とても面白かったです🥰続きとても楽しみにしています🥰🥰 (5月20日 22時) (レス) @page30 id: 42d6be6a70 (このIDを非表示/違反報告)
鮫のこ(プロフ) - にゃーちゃんさん» コメントありがとうございます!嬉しい言葉の数々励みになります...。実はこの小説の原本が結構しっかり長いお話になってるので、じゅじゅの方の話も後々出てきます!完結まで長いのですがお付き合い頂けると嬉しいです^^* (5月19日 2時) (レス) id: 011fb61706 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:鮫のこ | 作成日時:2023年5月14日 5時