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53話 ページ4

それを察して、すっとぼける返事を返す

彼はまだ考え込むような顔をしながら
店を後にして行った

暫く会うことはないだろう
いや会いたくない

そう思いながら時計を見ると
もう閉店時間から1時間すぎていた

深い溜息が出る

「今から帰るってメールしておくか」

携帯を開き
メールを手早く打ち込んで送信する

すると数分待たずに返信が来た

“お疲れ様、今日はなんとサバの味噌煮です。気を付けてね。”

一気に気分が上がった
鼻歌まで出そうだ

さっきの一つ一つの重い動作が嘘だったかのように
閉店作業もすぐ終わらせた

多分帰宅時間は今までよりぶっちぎりで早かったと思う

「た、ただいま」

車から家までも走っていたため
少し息が切れている

その私を視界に入れ
目をまんまるくした彼は
次の瞬間小さく噴き出しながら笑った

「Aさんおかえり、そんなに急がなくてもサバは逃げないよ」

「手を洗ってきます...」

鞄を放って鍵を机に置いた
そしてそのまま洗面所に向かう

人鏡を見ると
自分の口角が上がってる

なんだその間抜けな顔は

洗い終わった手をタオルで拭き
両手の人差し指で口角の端を下げる

一体いくつだと思っているんだ

自分に呆れながらダイニングに向かうと
既に机に夕飯が並んでいた

「いい匂い...」

「はい座った座った」

急かされるように座ると
向かいに景光君が少し後に座った

「いただきます」

「召し上がれ」

感想は言うまでもない
最高に美味しい

「美味しい」

「分かる、顔に書いてあるよ。」

微笑みながらそう言われる
この間抜けな表情筋がと思いながら
手は止まらない

「今日遅かったね、何かあった?」

「あー。」

そこでやっと閉店が遅れた原因を思い出した

「胡散臭い金髪が襲撃してきた」

「胡散臭い金髪?」

「そうゴリラ」

「ゴリラ?」

ゴリラ呪霊?と見当違いな事を言う彼

呪霊の方が何倍もマシだ

「ゼロみたいだな」

「ゼロ?あぁあの親友の?」

「そう、何回かAさんにも話したよね。」

「フルネームは確か...」

「降谷零」

「じゃあ別人だなぁ」

名前は安室透だったはず

景光君の言う降谷零は
確か小さい時から仲が良く
警察学校時代、その降谷さんと研二君と陣平君、あともう1人伊達さん
という人物と行動を共にすることが多かったらしい

そして
「同じ公安で組織に潜入してたんだっけ」

「そう、あいつ、元気でやってるかな」

自分は離脱してしまった為
今も残っているだろう親友を心配していた

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鮫のこ(プロフ) - saoさん» コメントありがとうございます!1話からここまでお付き合い下さって感謝しかありません...。少しでもsao様のお仕事の励みになれるように頑張りますね^^ (5月23日 0時) (レス) id: 011fb61706 (このIDを非表示/違反報告)
sao - 1話から読んでます!呪術とコラボとのことで気になって読んでみたところめっちゃハマってしまいました(笑)続きが気になって仕事がなかなか進まないくらいです!w更新楽しみにしてますね♪ (5月22日 22時) (レス) id: 5783d3925f (このIDを非表示/違反報告)
鮫のこ(プロフ) - シンヤさん» コメントありがとうございます!お褒めの言葉とても嬉しい限りです...。引き続き更新頑張りますね^^ (5月22日 4時) (レス) id: 011fb61706 (このIDを非表示/違反報告)
シンヤ(プロフ) - とても面白かったです🥰続きとても楽しみにしています🥰🥰 (5月20日 22時) (レス) @page30 id: 42d6be6a70 (このIDを非表示/違反報告)
鮫のこ(プロフ) - にゃーちゃんさん» コメントありがとうございます!嬉しい言葉の数々励みになります...。実はこの小説の原本が結構しっかり長いお話になってるので、じゅじゅの方の話も後々出てきます!完結まで長いのですがお付き合い頂けると嬉しいです^^* (5月19日 2時) (レス) id: 011fb61706 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鮫のこ | 作成日時:2023年5月14日 5時

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