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78話 ページ28

滅多にならないチャイム音が鳴り
玄関に向かう

「景光君、ダイニングにいて。呼んだらおいで。」

「あぁ、分かった。」

そう指示してから
扉の鍵を開け押し開ける

「こんばんは、安室さん。」

「こんばんはAさん、ちなみに今は降谷零として来てます。」

「あー、どうぞ。」

お邪魔しますと言い
綺麗に靴を揃えて居間へと着いてくる

ソファを勧めれば、大人しく座るので
少し待っててもらいお茶を淹れにキッチンへ向かう
必然的にダイニングも通過するため
不安そうにこちらを見た景光君に
一瞬片目を瞑っておいた

お茶を手に居間へ戻ると
流れていたテレビに視線だけ向ける降谷君が
こちらを振り向く

「良い香りのお茶ですね。」

「ですよね。」

「何ていう名前なんですか?」

「いや、知らないです。」

「え?」

「私が買ったんじゃないので。」

そう言って目の前にマグカップを置き
1人分スペースを空け隣に腰かけた

「時間も時間なので、本題入りますね。」

「えぇ、どうぞ。」

「諸伏景光って人、ご存知ですよね。」

「それをどこで?」

途端に疑うような目付きになる
皆、人の事疑いすぎて生きづらそう

「彼、今何を?」

「...殉職している。」

そう言う彼は顔を歪め握る拳は震えている

「僕は、彼と同じ組織に潜入していたんです。」

あれ、あれれ
まずい余計な話までし始めた

「だがバレてしまった、公安から派遣された諜報員だと。」

「は、はぁ。」

「彼が組織に消される前に助けようとした。でも間に合わなかった。廃ビルにいる彼を追って階段を上った先は、既に逃げた後だったんです。」

あの足音の正体
降谷君だったのか

それに勘違いして景光君は死ぬところだったのか

その悲惨な結末を避けられたことを
ここで初めて知った

「僕はヒロが逃げた先を突き止めようとした、でもアイツに...赤井によって殺された後だった。」

つまり赤井さんが徹底的に嫌われてるのは
私のせいな訳ですね

心の中で必至に謝罪をした

「もし、その場で助けられてたら。彼はどうなってたの?」

「どうとでもしたさ!公的書類は偽装できるし、少し不自由にはなるが人としての最低限の生活だってさせられた...!なのに...それなのにもう彼はいない。」

これ以上聞くと
隠していた事への罪悪感が
心のキャパを超えそうなので話を遮る

「私が耐えられないので出てきて」

そう後方に声をかけた

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鮫のこ(プロフ) - saoさん» コメントありがとうございます!1話からここまでお付き合い下さって感謝しかありません...。少しでもsao様のお仕事の励みになれるように頑張りますね^^ (5月23日 0時) (レス) id: 011fb61706 (このIDを非表示/違反報告)
sao - 1話から読んでます!呪術とコラボとのことで気になって読んでみたところめっちゃハマってしまいました(笑)続きが気になって仕事がなかなか進まないくらいです!w更新楽しみにしてますね♪ (5月22日 22時) (レス) id: 5783d3925f (このIDを非表示/違反報告)
鮫のこ(プロフ) - シンヤさん» コメントありがとうございます!お褒めの言葉とても嬉しい限りです...。引き続き更新頑張りますね^^ (5月22日 4時) (レス) id: 011fb61706 (このIDを非表示/違反報告)
シンヤ(プロフ) - とても面白かったです🥰続きとても楽しみにしています🥰🥰 (5月20日 22時) (レス) @page30 id: 42d6be6a70 (このIDを非表示/違反報告)
鮫のこ(プロフ) - にゃーちゃんさん» コメントありがとうございます!嬉しい言葉の数々励みになります...。実はこの小説の原本が結構しっかり長いお話になってるので、じゅじゅの方の話も後々出てきます!完結まで長いのですがお付き合い頂けると嬉しいです^^* (5月19日 2時) (レス) id: 011fb61706 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鮫のこ | 作成日時:2023年5月14日 5時

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