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52話 ページ3

手に取った物は

アンティークベル

「これなんかいいと思いますけどね」

「成程、アンティークベルですか。」

私の手から受けとったベルを見ながら
そう言う彼

「それ、鳴らしてみると面白いですよ。」

私がそう勧めると
言われた通りにベルを数回振る
すると

「鳴らない?」

「そう、聞こえないんです。」

貴方には

私には勿論
呪霊にとって嫌な音が響く

音と共に響く呪力で
首元の呪霊は一瞬で消し飛ぶ

「で、首治りました?」

「首?...あ、れ」

首を確認するように触っているが
痛み、苦しさが無くなっていることにきっと気づいただろう

彼の手からベルを回収しようと腕を伸ばす

すると伸ばした腕は捕まれ停止した

「何で、分かったんですか?」

「なんとなく」

「なんとなく、ですか。」

あからさまに納得いってないです
という表情を浮かべている安室さん

「Aさんは探偵ですか?」

「いいえ」

「では何者なんでしょう」

「知りたいですか?」

「教えてくれるんですか?」

「いいですよ、でもその代わり」

全部吐けます?貴方の事

そういうと今まで取り繕ったような彼の顔から
表情が抜け落ちた

美人の真顔は怖いね

「自分だけ全部知ろうだなんて、調子いいですよね。」

「言ってる意味がよく分かりませんが」

「それでいいなら話は終わりです」

その瞬間
一瞬で私の両腕を捕らえると
捕らえた腕を体の後ろに回しうつ伏せで床に倒した
その上に容赦なく体重をかけられる

動けるなぁこの人

「君が何者か、僕の何を知っているか、全て吐け。これ以上手荒な真似は出来ればしたくない」

「怒りました?」

「何?」

「踏み込む気なら踏み込まれる覚悟もないと」


これ以上関わりは不要だと判断した私は
術式で相手の位置と自分の位置を交換した

つまり今私は男の腕を捉えてうつ伏せに倒し
その上に体重をかけている

形勢逆転

「«動くな»」

この男が想像より動けることを考慮し
呪言で追い打ちをかける

「な、にをした」

「私、貴方の事知らないし、知ろうなんて微塵も思ってないから。何だか貴方、面倒事の塊っぽいし。」

確かに彼は強いのかもしれない
だが上には上がいるものだ

そう言うと抵抗していた力が抜けきった

手を離すとゆっくり起き上がるそれ
服を手で払うと溜息を小さく吐いた

「Aさん、今日の事は」

「なんかありましたっけ?」

「...いいえ、失礼します。」

きっと黙ってろって事なんだろう

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鮫のこ(プロフ) - saoさん» コメントありがとうございます!1話からここまでお付き合い下さって感謝しかありません...。少しでもsao様のお仕事の励みになれるように頑張りますね^^ (5月23日 0時) (レス) id: 011fb61706 (このIDを非表示/違反報告)
sao - 1話から読んでます!呪術とコラボとのことで気になって読んでみたところめっちゃハマってしまいました(笑)続きが気になって仕事がなかなか進まないくらいです!w更新楽しみにしてますね♪ (5月22日 22時) (レス) id: 5783d3925f (このIDを非表示/違反報告)
鮫のこ(プロフ) - シンヤさん» コメントありがとうございます!お褒めの言葉とても嬉しい限りです...。引き続き更新頑張りますね^^ (5月22日 4時) (レス) id: 011fb61706 (このIDを非表示/違反報告)
シンヤ(プロフ) - とても面白かったです🥰続きとても楽しみにしています🥰🥰 (5月20日 22時) (レス) @page30 id: 42d6be6a70 (このIDを非表示/違反報告)
鮫のこ(プロフ) - にゃーちゃんさん» コメントありがとうございます!嬉しい言葉の数々励みになります...。実はこの小説の原本が結構しっかり長いお話になってるので、じゅじゅの方の話も後々出てきます!完結まで長いのですがお付き合い頂けると嬉しいです^^* (5月19日 2時) (レス) id: 011fb61706 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鮫のこ | 作成日時:2023年5月14日 5時

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