人生二回戦目は求めてない。2【名探偵コナン】

50話 ページ1

｢どっちだと思います？｣

｢えぇーどっちかなぁ、でもAさんにはかっこいい彼氏がいて欲しいです！｣

｢僕はいないと思うなぁ｣

私の生活をある程度知っている工藤君は
いないとほぼ確信しているんだろう

それも腹立つが

そこで突然
話に参加していなかった人物が口を開く

｢僕は、いないでほしいかなぁ...なんて｣

｢安室さん！？｣

｢は｣

相変わらずの笑みを浮かべながら
少し照れた表情で言う彼と

その彼と私を交互に見る榎本さん

白けた目でジュースをストローで飲む工藤君

地獄みたいな空気が出来上がる

｢安室さん！もしかしてAさんみたいな人がタイプですか！？｣

もういいやめろ
話を掘るなどこまで掘ったら気が済むんだ
悪かった私が変な返し方をしたのが悪かった

先に届いていたアイスコーヒーに口をつけながら
カウンターの下で工藤君の足を軽く蹴る

助けを求めようとしていると
目の前にナポリタンが置かれた

｢お待たせしました、ナポリタンです。｣

｢ドウモ｣

これで食事に集中して
ササッと食べて帰ろう
そう思っていた

｢ちなみに、Aさんみたいな人がタイプです。｣

隣でむせる音がした
もういい知らない
ナポリタンに罪は無い
美味しくいただこうと
手を合わせてフォークを持った

｢私、顔で判断する人と胡散臭い人苦手なんですよね。｣

誰とは言わないけど

その瞬間目の前の笑顔が固る

無事黙ってくれたので
食事に集中する

こんなに美味しいのに
作ってる人があれかぁ

出会って数十分で印象は落ち過ぎてもう埋まっていた

何故か榎本さんからは今も尚キラキラとした視線を
向けられているが

｢美人がイケメンを木っ端微塵にしてる姿、かっこよすぎるねコナン君。｣

｢あ、あはは、そうだね｣

横のやり取りもスルーする

味は本当に好みだった為
すぐに平らげ
美味しさの余韻に浸る

また来たいと思いつつも
気まずさがあるため渋る

｢じゃあお会計お願いします｣

｢かしこまりました｣

会計をお願いすると
途中から黙りっぱなしだった安室さんが
伝票を持ちレジに向かった

財布片手に私もレジに向かう

｢あの、Aさん。｣

お釣りを数えながら口を開いた彼に
また何を言うつもりだろうと目を向ける

｢僕、諦め悪いんです。だから、またお待ちしてますね。｣

何だか素の表情だった気がする

安室さんはそう言って小さく微笑んでいた

｢Aさん！私もまた待ってます！｣

榎本さんも続いて言うため会釈で返した

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