第285話 伸ばす声 ページ7
『たん……っじろぉ！！そういうのほんと要らない！！落ち着け！！！』
暴れ回る。
きっと痛いし、苦しい。
でも、だめだ。
『散々人を変えておいて！！人の背を押しておいて！！それでお前が変わるのは狡いだろ！！』
「グゥッ、ア゛アアアア！！」
『俺は、揺らがないぞ！！』
彼の長い爪が、俺の腕に食い込んだ。
いた、痛いけど！！それで引く男では無いのだ俺は！！！(混乱中)
「(陽光焼けが止まった……！？)」
どうやら、太陽の光を克服してしまったらしい。
頸を斬っても倒せない、太陽の光もダメなら……あれ、これ、詰んでね！？
『ぅ痛ァい！！』
焼かれて弱っていた力が戻って、俺たちを振りほどく方へ力が全振りされている。
冨岡さんに攻撃して、彼の手が緩まる。
俺一人で押さえられる時間なんて、数秒もない。
『(ああ、くそ、血が、めちゃくちゃ痛い、どうしよ、)』
ほんと、力強いなこいつ。
ただでさえ強いのに、鬼になって倍以上の馬鹿力出てきやがって。
『俺は……そんな、大層な奴じゃないからさぁ、……っ！』
ポロポロ、こぼれ落ちていく。
彼の肌に。
『いい加減しやがれ、ほんと、』
『ちゃんと責任取れ！！竈門炭治郎ッ！！』
ほんの一瞬だけ、彼の動きが止まった。
梛の力の影響か、それとも、言葉が届いたのか。
『(わかんない、けど、)』
振りほどかれて、その手がこちらへ伸ばされた。
『や、っば』
「何してんだ＿＿＿＿っ！！！」
鋭い音が響いて、その手が弾かれた。
炭治郎が咄嗟に後ろに引く。
目眩を起こしてるのだろうか、動きの鈍い冨岡さん。
俺も人の心配をしてる余裕は無いが！！！
「菖蒲だぞ！！半々羽織だぞ！！仲間だぞッ！！」
「炭治郎！」
みんな重傷だ。
それに……倒すすべが無い。
このままじゃ全滅する。
炭治郎に向けて振り下ろされた伊之助くんの歪な日輪刀は、その首元でピタリと止まる。
『(＿＿＿＿、あ)』
その、目の前で。
間に入り、炭治郎を止めたのは、
『………っ、』
禰豆子ちゃん。
人に、戻ってる。
「お兄ちゃん、ごめんね」
「ずっと私、何もわからなくなっててごめんなさい」
「お兄ちゃん独りに全部背負わせたね」
「どうしていつもお兄ちゃんばっかり苦しいめに合うのかなぁ……どうして一生懸命生きてる優しい人達が」
「いつもいつも、踏みつけにされるのかなぁ」
握った拳に、僅かに血が滲んだ。
❁⃘*.ﾟ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 56人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
リナ(プロフ) - ゆぅあ(o・ω・o)さん» 一気読みありがとうございます〜！！完結間近ですが最後までよろしくお願いします！頑張ります……！ (2020年11月28日 15時) (
レス) id: cb61b31578 (このIDを非表示/違反報告)
ゆぅあ(o・ω・o)(プロフ) - 昨日このシリーズの小説を見つけたのですが、はちゃめちゃに面白くて今日読破しました！これからも頑張ってください！！！ (2020年11月28日 10時) (レス) id: f45915f976 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：リナ | 作者ホームページ：http://uranai
作成日時：2020年8月29日 14時
