第319話 進む道は旅の道 ページ41
❁⃘*.ﾟ
「忘れ物はないか？キャラメルは持ったか？」
『なんで俺の必需品がキャラメルみたいになってんの。持ってるけど』
見送りにはいつもの四人と、蝶屋敷のメンバーが揃っていた。
実弥さんとは少し先の場所で待ち合わせしている。
「そのストラップ、持っていてくれたんですね！」
『あ、……うん。刀はもう本家に戻したから。いわゆる形見みたいなものだしね。』
楸さんの訃報を聞いた後、佐藤さんから預かったキャラメルの包みで きよすみなほちゃんが作ってくれた、四葉のクローバーのストラップだ。
色んな思いが詰まってる。
貰った時よりも、色んな人の思いが。
『このキャラメルも、もう食べ終えちゃったんだよなぁ。どこのお店のだったんだろう。美味しかったし、包みも綺麗なんだけど』
「あ、それなんだけど！」
「菖蒲さん、これをどうぞ。」
良識的な量のキャラメルが渡される。
箱からして高級感のあるもの。
それに、見覚えがあった。
『わー！これだよ！！』
「餞別に何か渡したいと思ってたの。みんなで何がいいか話し合って。」
『良いのかなぁ、壮大な旅のつもりじゃなかったんだけど……』
「今までのお礼もあります。受け取ってください。」
こんな風に貰っちゃうと食べづらい気もするが。
そういう時は伊之助くんの遠慮のなさを思い出し＿＿
『うわぁもう食ってやがるコイツ！！餞別の意味わかってんのか！？』
「俺は最終選別で一番に山をおりたぜ！！」
『あぁ確かにそうだったね！？』
もぐもぐと美味しそうに頬張る伊之助くん。
これもなんか懐かしいな。
伊之助くん、アオイさんにハチャメチャに怒られてら……。
『せっかくだし、みんなと食べたいな。はいどーぞ』
「え、良いの？」
『分けてこそだし。ほら食え食え』
「軽いな」
皆に分ければ、残ったキャラメルは片手に収まる程度になった。
貰った分が片手に収まらない量という時点で良識的では無かっただろうか。楸さんのせいで俺のキャラメルへの価値観がバグってんな。
『めちゃくちゃお世話になりました。これも、大切に食べるね。』
「うぅ……菖蒲ぇぇぇ！！」
『うるさいな。皆も、素敵に幸せになってください。またね』
「扱いが雑だよ菖蒲ぇぇ！！」
「菖蒲！絶対にまた会いに来るんだぞ！！」
「帰ってきたらまた遊んでやるからな！！」
「また会いましょう、菖蒲さん！」
さぁ、
『進もう。』
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リナ(プロフ) - ゆぅあ(o・ω・o)さん» 一気読みありがとうございます〜！！完結間近ですが最後までよろしくお願いします！頑張ります……！ (2020年11月28日 15時) (
レス) id: cb61b31578 (このIDを非表示/違反報告)
ゆぅあ(o・ω・o)(プロフ) - 昨日このシリーズの小説を見つけたのですが、はちゃめちゃに面白くて今日読破しました！これからも頑張ってください！！！ (2020年11月28日 10時) (レス) id: f45915f976 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リナ | 作者ホームページ：http://uranai
作成日時：2020年8月29日 14時
