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第310話 また逢いましょう ページ32

❁⃘*.゚




「菖蒲、おはよう!」

『おはよ。今日も昨日の続きだっけか』

「あぁ。お墓参り、ちゃんとみんなの分を完遂したいから。」


なかなか強情だよなぁ、亡くなった隊士全員分って。
回りきれなくて日が暮れるって我妻くんがキレてた。
案の定、日が暮れたわけだが。

この調子だと明日までかかりそうだな。


「けど、本当に大丈夫なのか?菖蒲は俺と違って足の怪我だろう?かなり不便だと思うが……」

『大丈夫だって。実はちょっと感覚も戻ってるんだよね。完治は無理だろうけど、多少なら自力で歩けるようになるかもだし!』

「その意気だ!頑張ろう!」




❁⃘*.゚


墓場にたどり着いたら、順番にお花を添えていく。
俺はゆっくり足を進めながら、手を合わせ、思い出をなぞった。



『(甘露寺さん、伊黒さん。きっと天国で、幸せに過ごしてますよね。あまり話せなかったけど、また、いつか)』


『(悲鳴嶼さん。出来の悪い俺に、現実的な意見と指導をしてくれてありがとうございます。なかなか厳しかったけど、お陰で榊を倒せました。)』


『(時透くん。たぶん君は、俺の事をよく見てた。楸さんを失って無自覚に無理してた俺の事に、気がついて……それに、君も、悲しんでた。あの人の死を悔やんでくれて、ありがとう)』


『(玄弥くん。俺が一歩踏み出す大きなきっかけだった。君の言葉は、色んなものが切実で、真っ直ぐだった。君ともっと、話したかった)』


『(しのぶさん。)』




『……』




後悔の無い別れなんて、そう簡単なものじゃない。
だけど、何故か__。

この人との別れだけは、後悔だけが募った。

あの時、俺にかけられた言葉が、何かあったかもしれないのに。
私には出来なかった。俺には、出来た、こと。



『しのぶ、さん。』



『(ごめんなさい。でも、ありがとう。俺には見えてました、それに、きっと皆も。貴方を見ていた。知っていた。何もかも、とはいかないけれど)』


『貴方は、独りじゃなかったよ』


生意気な言葉だけど。
でも、どうしても、伝えたい言葉。

天国で。大切な人と、幸せに。





『(煉獄さん。)』


『(俺の、それから、みんなの。背を強く、押してくれてありがとう。あなたのお陰で燃え続けていた、心が、ずっと。)』


強く。掌に込める。



『(楸さん。)』




『(俺はもう、大丈夫です。さようなら、ありがとう。それから、また会いましょう)』






いつかある、どこかの再会の場で。








必ず、逢いましょう。

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リナ(プロフ) - ゆぅあ(o・ω・o)さん» 一気読みありがとうございます〜!!完結間近ですが最後までよろしくお願いします!頑張ります……! (2020年11月28日 15時) (レス) id: cb61b31578 (このIDを非表示/違反報告)
ゆぅあ(o・ω・o)(プロフ) - 昨日このシリーズの小説を見つけたのですが、はちゃめちゃに面白くて今日読破しました!これからも頑張ってください!!! (2020年11月28日 10時) (レス) id: f45915f976 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リナ | 作者ホームページ:http://uranai  
作成日時:2020年8月29日 14時

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