第149話 無事、就職決定 ページ9
「じゃあ、真ん中の子を貰おうかね。素直そうだし。」
「一生懸命働きます!」
……良かった、俺のせいで誰も潜入できない、なんてことがなくて。
呼吸も整ってきた。……冷や汗はまだ止まんないけど。
「菖蒲、無理はしないで」
『……ぁ、うん、だいじょぶ』
去り際、誤魔化すように炭治郎に手を振る。
天元さんに手を引かれてときと屋を出た。
「………榊、だったな」
『はい、……恐らく』
自分の左耳に手を伸ばす。
耳飾りの特徴も、髪色の特徴も……ほぼ確実に。
つけていた耳飾りを外す。
有名な噂なら、他の店に行っても同じことが起こるだろう。外す方が賢明だ。
「菖蒲、ほんとに大丈夫?体調悪くない?」
『ん、一瞬焦っただけ。超元気だよ!』
「よし、そんじゃ、気を取り直して次行くか。」
❁⃘*.゚
「それにしてもほんとにダメだな、菖蒲を除いてお前らは。二束三文でしか売れねぇじゃねぇか」
「俺アナタとは口利かないんで……」
「女装させたからキレてんのか?何でも言うこと聞くって言っただろうが。」
「オイ!なんかあの辺人間がウジャコラ集まってんぞ!」
『伊之助くん声でかい、もう少しお淑やかにしてくれ』
伊之助くんが指さした先には、見覚えのある光景……とはいっても、リアルで見るのは初めてだ。画面でしか見た事がなかった。
「ありゃ“花魁道中”だな」
「ときと屋の“鯉夏花魁”だ。」
「一番位の高い遊女が客を迎えに行ってんだよ。それにしても派手だぜ。いくらかかってんだ」
「嫁!?もしや嫁ですか!?あの美女が嫁なの!?あんまりだよ!三人もいるの皆あんな美女すか!」
「嫁じゃねぇよ!こういう“番付”に名前が載るから分かるんだよ!」
騒ぎ出す我妻くんを殴りつける天元さん。
ここのコンビネーションくそ高くなってね……??
「歩くの遅っ。山の中にいたらすぐ殺されるぜ」
『いやいや、そもそも山の中で歩くことを想定してないからねアレ』
伊之助くんも伊之助くんだ。
思考回路が野生児。ツッコミが追いつかない。
「ちょいと旦那。この子らうちに引き取らせて貰うよ。いいかい?」
『へ』
「荻本屋の遣手……アタシの目に狂いはないのさ。」
「荻本屋さん!そりゃあありがたい。達者でな、猪子、菖蒲!」
なんか急に就職決定した……。
しかも伊之助くんとのセット作戦もちゃっかり成功した……。
そしてふと我に返る。
我妻くんが売れ残っていることを___。〜完〜(終わるか)
❁⃘*.゚
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リナ(プロフ) - トゥルピカさん» コメントありがとうございます!!描いてるうちにシリアスめちゃくちゃ増やしちゃう癖あるんでギャグ沢山ぶち込みたいと思ってます!嬉しいお言葉ありがとうございます! (2019年12月6日 7時) (レス) id: 4837a99168 (このIDを非表示/違反報告)
トゥルピカ(プロフ) - わお、おもしろい!です!なんか、こういうの好きですあのー、シリアスもギャグも入ってるの。うん、とりあえずすこです (2019年12月5日 22時) (レス) id: fdf27c346b (このIDを非表示/違反報告)
リナ(プロフ) - いおりさん» コメントありがとうございます〜!!そう言っていただけると嬉しいです…!更新頑張ります! (2019年11月17日 17時) (レス) id: 4837a99168 (このIDを非表示/違反報告)
いおり - すごい面白い、、、。続きが気になります。これからもお体に気をつけて更新頑張っていただければと思います。 (2019年11月17日 16時) (レス) id: 6ba09b020b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リナ | 作者ホームページ:http://uranai
作成日時:2019年11月16日 12時