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第184話 面影のある ページ46

❁⃘*.゚



『……これ、誰にも言ってなかったんですけど。俺、尾上の血をこれ以上継承する気は無いんです。』

「つまり……尾上家を、貴方で終わらせるということですか………?」


相変わらず驚いたままの二人に、にこりと笑いかける。それから、深く頷いた。


『尾上の血の力とか、継承とか護り人とか……厄介だし面倒だし、こんなの他の人に背負わせたくないです。だから、この歴史も置いておくことないんですよ』

「……」



手に取った日記は、楸さんが何とかして後世に伝えようとした歴史。
きっと、ただ誰かに知っていて欲しかっただけなんだ。榊も、肆葉さんも……ただ哀しい運命にあっただけだってことを。


『俺が知ってるから、大丈夫ですよ。……そんでもう、こんな悲しいこと二度と起こさせない。榊の頸を斬り、鬼舞辻は俺が殺します』


ぐ、と握った拳を二人の前に、誓うように伸ばす。


……俺は遊郭の時、榊を前にして躊躇った。
けど、ここに来て……沢山のことを知って、あの男の頸を斬る覚悟が出来た。だから。


「菖蒲さん、貴方は……強い方、ですね」


優しい笑みを向けられ、今度は俺が目を丸くした。
え、そんな、だって、え……っ(照)


『まっ、まぁ!そういうことで!全部燃やしますので!終わったら俺はそろそろ帰ります!ほんとに!お世話になりました!』

「ふふ。……こちらこそ、お世話になりました。」




❁⃘*.゚





「それでは、血の解析が終わり次第手紙を送らせて頂きます。ですがそれももう……」

『はい、たぶん正体は分かんないんですよね?……さっきの鬼が外に広がってる可能性が全く無いのなら、それで全然いいので。』


俺があの鬼の頸を切った時点で、その手がかりが完全に消えたのだとしても……広がらないならそれでいい。真相は闇の中ってことで。


「私たちはまた身を隠します。またお会い出来るかは分かりませんが……」

『大丈夫です!会えます!珠世さんも愈史郎さんもご武運を!』

「……そうだ、菖蒲」


去り際、思い出したように振り返る愈史郎さん。正直この人に名前呼ばれるのビクッとする。


「俺のことは愈史郎でいい。敬語も要らん」


『………………なんで?』

「その顔で敬語も愈史郎“さん”も気持ち悪いからだ。じゃあな」

『一方的ィ……』


肆葉さんと似てるってやつだろうか。
にしても一方的すぎて拒否権皆無じゃねぇか……愈史郎はハードル高いから愈史郎くんって呼ぼ……(こっちも勝手)


❁⃘*.゚

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リナ(プロフ) - トゥルピカさん» コメントありがとうございます!!描いてるうちにシリアスめちゃくちゃ増やしちゃう癖あるんでギャグ沢山ぶち込みたいと思ってます!嬉しいお言葉ありがとうございます! (2019年12月6日 7時) (レス) id: 4837a99168 (このIDを非表示/違反報告)
トゥルピカ(プロフ) - わお、おもしろい!です!なんか、こういうの好きですあのー、シリアスもギャグも入ってるの。うん、とりあえずすこです (2019年12月5日 22時) (レス) id: fdf27c346b (このIDを非表示/違反報告)
リナ(プロフ) - いおりさん» コメントありがとうございます〜!!そう言っていただけると嬉しいです…!更新頑張ります! (2019年11月17日 17時) (レス) id: 4837a99168 (このIDを非表示/違反報告)
いおり - すごい面白い、、、。続きが気になります。これからもお体に気をつけて更新頑張っていただければと思います。 (2019年11月17日 16時) (レス) id: 6ba09b020b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リナ | 作者ホームページ:http://uranai  
作成日時:2019年11月16日 12時

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