第175話 冷たさに既視感 ページ35
❁⃘*.゚
扉の開いた屋敷に入り、ひとまず詳しい話をすることになった。
「まさか、尾上家の最後の一人が鬼と人間の区別をつけるなんて基礎的な力も持たない牛蒡だとは思わなかった。」
『いやほんと、気が付かなかったのは申し訳なさすぎるんですけど……牛蒡は酷くないです??確かに細いかもしれないですけど、牛蒡はちょっと』
「そうか、分かった。なら糵だ」
「余計に細くなりましたけど??」
この人……愈史郎さん、めちゃくちゃ当たり強いな。
ともかく、野菜談義(?)は置いておいて。
俺が先程失礼をしたことに気がつき、そのタイミングで愈史郎さんになかなか強烈なチョップを食らったわけをまとめる。
尾上の力は、通常状態 鬼に対して不快な空気のようなものを漂わせている。
敵意の無い味方の鬼……と言っても、それもかなり珍しいことだが、そういう鬼に遭遇したとしても、気が付かなければ力は行使したままになる。禰豆子ちゃんみたく箱の中に入ってて気が付かなかった、とかも。
つまり、つまりだ。
俺は友好的な顔をして、こいつ鬼だろムワァァ……みたいなことをしてたことになる。気がついてないだけだったんだけど、それが警戒されてると思われたみたいだった。めっっちゃ失礼なことしてしまった。
「先程のことは、どうかお気になさらず。説明不足でしたこちらにも非がありますので。」
『いえいえ!九割俺が悪いので!』
「何を言ってる十割だ」
『十割!です!』
「愈史郎。」
「はい!珠世様!」
愈史郎さん面白いなぁ〜。珠世さんの言うことだけ聞くんだなぁ〜。(感心)
コホン、と咳払いをした珠世さんは、話を続ける。
「私と彼、愈史郎は鬼舞辻の呪いがかかっていない、人の血肉も最小限で済むように身体を弄っている鬼になります。貴方の敵に回る気はありません。」
『それは、もう。めちゃくちゃ分かります。疑ってないです!』
「ですが、貴方は…」
『力を持つ者として、簡単な判断をしてはいけない……ですよね?』
「……えぇ。」
裁判の時に言われた言葉。
肝に銘じて今日まで来た。忘れるつもりは無い。
……だけど。
『簡単な判断ではないので、ご安心ください。珠世さんも愈史郎さんも、悪い人ではないです。』
「(あぁ、また___……)」
泣きそうな顔をした珠世さんに、心臓が飛び跳ねる。
『え、あの!?大丈夫ですか!?すみません!?』
「いえ、平気です。ご心配なく。」
「……」
だから愈史郎さん顔怖いな!?
第176話 組紐の正体→←第174話 降り注ぐは脳天チョップ
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リナ(プロフ) - トゥルピカさん» コメントありがとうございます!!描いてるうちにシリアスめちゃくちゃ増やしちゃう癖あるんでギャグ沢山ぶち込みたいと思ってます!嬉しいお言葉ありがとうございます! (2019年12月6日 7時) (レス) id: 4837a99168 (このIDを非表示/違反報告)
トゥルピカ(プロフ) - わお、おもしろい!です!なんか、こういうの好きですあのー、シリアスもギャグも入ってるの。うん、とりあえずすこです (2019年12月5日 22時) (レス) id: fdf27c346b (このIDを非表示/違反報告)
リナ(プロフ) - いおりさん» コメントありがとうございます〜!!そう言っていただけると嬉しいです…!更新頑張ります! (2019年11月17日 17時) (レス) id: 4837a99168 (このIDを非表示/違反報告)
いおり - すごい面白い、、、。続きが気になります。これからもお体に気をつけて更新頑張っていただければと思います。 (2019年11月17日 16時) (レス) id: 6ba09b020b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リナ | 作者ホームページ:http://uranai
作成日時:2019年11月16日 12時