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第169話 情報量 ページ29

「………そうか、お前記憶喪失なんだっけか。」

『まぁ、一応』


一応?と首を傾げられたが愛想笑いで貫いておく。
説明も言い直すのもだるい。(本音)


「尾上家……それから護り人の一族、天屯家は全国各地にある。」

『えっ』

「榊のことか、その他のことか……何か調べるつもりなら本家にいくのが良いだろうな。」


俺の考えはあっさりと読まれていた。
……知らないことが多すぎるのだ。楸さんに聞けない今、自分で足を運ぶ他ないと判断した。


『本家……それは、尾上家と天屯家の両方ということですか?』

「あぁ。資料は二つの家に分散させてるみてぇだな。どちらの家の資料もなければ内容は繋がらないように。」

『なるほど……』

「どっちの家も中に入るまでに色々仕掛けがあるみてぇだが……行くのは簡単な尾上家に先に行けば良いだろう。」


そう言うと、彼はポケットをまさぐる。
行くの“は”ってなんだ?他に簡単じゃない要素があるのか??


「ん。これだ」

『これ……組紐飾り?これが何ですか?』

「お前の耳飾りに似たような仕掛けがあるらしい。悪いが詳しくは知らねぇ。それを持って尾上家に行くといい。道順はまた手紙を送っておく。」


彼が教えてくれたことは、すべて楸さんから聞いていたことなのだろう。
そして楸さんが俺に言わなかったのは……情報量が多すぎたためか。


天元さんと話し終えた俺は、彼らに一礼してから我妻くん達のところへ戻る。
一応怪我してるんだが、多分アドレナリン的な何かが頑張ってくれてるんだと思う。雑。




「菖蒲ぇぇ!やっと戻ってきた!どこ行ってたんだよ〜!」

『言ったじゃん天元さんのとこだよ。我妻くん情緒不安定すぎない?』

「なんであの人の事下の名前で呼んでんのー!じゃあ俺も下の名前で呼んでよ!」

『怪我してるからそのテンションなんだよね。どこかで頭も打ったのかもね。』

「酷いな!!」


いつもの如く腰に抱きついてくる彼だが、今回ばかりは怪我でボロッボロだから許してやろう。
彼、すぐに調子乗るけど優しくされると伸びるタイプだからな……。


『(……あ、そろそろ身体がだるくなってきた)』


膝の上でおんおんと泣く我妻くんの後頭部をぼうっと見下ろしていれば、熱がぶり返したように存在感を増す。


「菖蒲?だいじょぶ?」

『うん、平気だけど……』


さっきまで熱を全く感じなかったのは何故だろうか。
この力のこともあまり分かってない。

分からないことが、多すぎた。

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リナ(プロフ) - トゥルピカさん» コメントありがとうございます!!描いてるうちにシリアスめちゃくちゃ増やしちゃう癖あるんでギャグ沢山ぶち込みたいと思ってます!嬉しいお言葉ありがとうございます! (2019年12月6日 7時) (レス) id: 4837a99168 (このIDを非表示/違反報告)
トゥルピカ(プロフ) - わお、おもしろい!です!なんか、こういうの好きですあのー、シリアスもギャグも入ってるの。うん、とりあえずすこです (2019年12月5日 22時) (レス) id: fdf27c346b (このIDを非表示/違反報告)
リナ(プロフ) - いおりさん» コメントありがとうございます〜!!そう言っていただけると嬉しいです…!更新頑張ります! (2019年11月17日 17時) (レス) id: 4837a99168 (このIDを非表示/違反報告)
いおり - すごい面白い、、、。続きが気になります。これからもお体に気をつけて更新頑張っていただければと思います。 (2019年11月17日 16時) (レス) id: 6ba09b020b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リナ | 作者ホームページ:http://uranai  
作成日時:2019年11月16日 12時

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