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第154話 潜入らしく ページ14

❁⃘*.゚


『……ちょっと頭に血が上ってたんだろうね。今はもう平気だよ。いつもの顔でしょ?』

「……おう」

『よっしゃ。それじゃ、先のことを考えよう。』


畳に落としたままだった耳飾りを拾う。
色は赤に戻っている。
……今は近くにいないということだ。


「アイツがもう一回来るっつってたのは五日後だよな。」

『だね。そんで定期連絡は三日後。一応余裕はあるから、それまでにある程度情報を集めておきたい。』

「先に言っとかなくていいのかよ。本当に五日後に来るかわかんねぇんだぞ?」

『……いや、たぶん嘘はつかないよ。ここでそんなことしても意味ないもん。あくまでもこの遊郭に馴染んだまま動くつもりだと思う。』


再び布団に寝転がった彼は、大きく息を吐いた。
気持ちはわかる。……結局のところ、不確定要素ばっかりなわけだし。俺もそろそろ頭を使うのが疲れてきた頃だった。


「じゃあ明日は“まきを”を探すか。」

『そうだ、天元さんのお嫁さん。そうしよっか。』


❁⃘*.゚



____二日後



『………あ、いたいた。倖さん、少し質問いいですか?』

「あら、菖蒲ちゃん。お仕事の質問?」

『それはあらかた覚えたんですけど、ちょっとした疑問が。』



伊之助くんはとりあえずお店のあたりを探索してもらっている。
ちゃんと仕事もしつつと念を押しておいたから、怪しまれることは無いだろう。


『荻本屋って、何人くらいの方が働いてらっしゃいます?なるべく正確な数が知りたいんですけど。』

「全員で?ええっとね……50の後半くらいだった気がするわ。ちゃんとした数が知りたいなら、女将さんに聞くのがいいかもね。」

『なるほど。ありがとうございます!』


今この瞬間までで、俺が確認したのは56人。
そのどれにも、まきをさんらしき人はいなかった。
部屋の探索はまだしていないからどこかの部屋にいるのかもしれないけど、まずは。


「人数?菖蒲ちゃんと猪子ちゃんを入れて、59人ね。」


……やっぱり、1人だけ見かけてない人がいる。
すれ違ったり、遠目で見かけたりとか、そんなレベルだけど数え間違いはないはず。俺の記憶力は、この程度ならミスったりはしない。

ほぼ確実にまきをさんだろう。……けど、今ここで名前を出すのは少し怖い。
伊之助くんならともかく、俺は人のフリをした鬼を見つけるのは難しい。まずは合流だ。

「アヤネ!」

『惜しいな』

タイミングはバッチリだった。
焦った様子の伊之助くんが走ってくる。

第155話 異変→←第153話 怒りの誓



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リナ(プロフ) - トゥルピカさん» コメントありがとうございます!!描いてるうちにシリアスめちゃくちゃ増やしちゃう癖あるんでギャグ沢山ぶち込みたいと思ってます!嬉しいお言葉ありがとうございます! (2019年12月6日 7時) (レス) id: 4837a99168 (このIDを非表示/違反報告)
トゥルピカ(プロフ) - わお、おもしろい!です!なんか、こういうの好きですあのー、シリアスもギャグも入ってるの。うん、とりあえずすこです (2019年12月5日 22時) (レス) id: fdf27c346b (このIDを非表示/違反報告)
リナ(プロフ) - いおりさん» コメントありがとうございます〜!!そう言っていただけると嬉しいです…!更新頑張ります! (2019年11月17日 17時) (レス) id: 4837a99168 (このIDを非表示/違反報告)
いおり - すごい面白い、、、。続きが気になります。これからもお体に気をつけて更新頑張っていただければと思います。 (2019年11月17日 16時) (レス) id: 6ba09b020b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リナ | 作者ホームページ:http://uranai  
作成日時:2019年11月16日 12時

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