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第133話 記憶だけが頼り ページ40

「私ね、強くて素敵な王子様しか興味がないの!か弱い女の子を守ってくれるような、優しい王子様。」


………か弱くは無いと思います。(真顔)
いやだって、か弱かったらこんな分身いねぇよ……柱ですら手こずる強さだよ君は……。


「死んじゃったってことは、きっと弱いってことよ。生きている者が強いの。死んだ奴らはみーんな弱い。」


「だから人間は弱いのよ。……一生勝てるはずがないわ、鬼にはね」


……ブチッときた。(2回目)
鬼はまじで何奴も此奴も同じことばっかり言いやがってよ!!

と、そんな文句を彼女にぶつけようとした所、俺の真横の彼が口を開いた。



「生きている者が強い、死んだ者が弱い……そんなわけが無い。……そんなことなら、俺は、」


『(あ、)』


怒り、だろうか。
……いや、悲しみ?
分からない、何か渦巻いたものが彼の中に在る。


………強いひとは、殆どがそうなんだ。
何かを抱えている。鬼への怒り、憎しみ、誰かに対する想い。


この人もきっとそうだ。



『……冨岡さん!!!』

「!……何だ」


突然叫んだ俺に驚いた様子だった。
なんなら女の子も驚いていた。
何かすみませんでした……。


『冨岡さんはなるべく多く分身の数を削ってください。』

「削って、どうする?砂の分身は再生するが」

『俺が鬼の容姿を覚え(、、)ます。この分身、容姿とか服装が一つずつ若干違うんですよ。だから再生した分身は無視、その他の分身を集中的に狙っていって、消去法で本体を突き止める。』

「………了解した」


家主さんの簪が違っていたのも、恐らくこの血鬼術の弱点。全く同じコピーは作れない。
これは俺に有利だ。


「……尾上が託しただけある」

『え?……あぁ、』


この人、俺のことも楸さんのことも尾上って呼ぶのか。紛らわしいな。
……託された、わけじゃないけど。今のは認められたかな。



「水の呼吸______肆ノ型 ()(しお)

『梓の呼吸______参ノ型 水目(みずめ)!』



ふわりと砂が舞う。
目が痛い、けど、絶対に瞑るな。

焼き付けろ。取りこぼした鬼の数は12。
やっぱりどれも若干違う!にしても若干すぎてこんがらがりそう!覚えろ俺!頑張れ菖蒲!


「再生した。どれを狙えばいい。」

『青い組紐で髪を結ってる一体と、服の袖に黒い線が入った……ギャッ!!』


本体候補の数は絞れたものの、敵の数はすぐに戻ってしまう。
これを交わしながらってだいぶキツくね??

第134話 覚醒→←第132話 これはまさか女王様



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リナ(プロフ) - モノクロさん» コメントありがとうございます!!泣いていただけたら本望です!()ギャグ混じえつつ急にシリアスぶっ込みますので温度差にお気をつけください!そして夜に寝ましょう!不規則生活!!() (2019年10月28日 10時) (レス) id: bdf7177f23 (このIDを非表示/違反報告)
モノクロ - こんなん…泣く、泣いてしまう(号泣)菖蒲くんもあやめくんも大好きですなんなら全員好きですけどねッ!!今後の展開が楽しみで昼しか寝れないなぁ!← (2019年10月28日 1時) (レス) id: 6f839a2af7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リナ | 作者ホームページ:http://uranai  
作成日時:2019年10月16日 17時

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