第122話 要介護 ページ29
❁⃘*.゚
あれから数日経った。
未だに全身が重くて、身体を動かすのも一苦労。
食事は我妻くんに手伝ってもらっている。
「はい、あー」
『普通に食わせろ』
「はい……」
意地でもあーんなんて言わせねぇからな。そして言わねぇからな。
いつものように我妻くんに食べさせてもらい、食器を片付けに行った彼。
それを見計らって口を開いた。
『……行くなら今じゃない、炭治郎』
「!……気づいてた、のか」
『布団の下に隊服隠してたし。煉獄さんのお家行くんでしょ?』
数秒の沈黙の後、ああ、と言って首を縦に振る。
うろ覚えだが、確かあの時お父さんと弟さんに言伝を預けていたはずだ。
回復してからでもいいだろうと思うけど、彼の性格上すぐにでも行きたかったのだろう。
『最近無理して鍛錬もしてるし。まぁ俺は止める術も無いわけだけど?』
「……すまない」
『悔しいのはすっごく分かるし。……ただ、しのぶさん怒らせすぎないようにね。』
そう言って微笑めば、彼はありがとう、と何度も言った。それから禰豆子ちゃんの箱を背負って出掛けた。
……これ、俺も共犯で怒られたりしないだろうか。大丈夫だよね?
「……あれ、菖蒲さんっ?炭治郎さんは?」
『ん?あれー?どこいったんだろ〜?』
「ご存知ないんですか!?どうしましょう!」
焦った様子でキョロキョロ探し始めるきよちゃん。
めちゃくちゃ大根演技だったんだが、この子はなんて純粋なんだ……
「炭治郎!まんじゅう(無断で)もらってきたから食おうぜ!」
「炭治郎さんがいませぇん!!」
「がッ…」
そこで、部屋に入ってきた我妻くんにきよちゃんの頭が激突した。ぶっ倒れてて草。
「あーっ!善逸さんごめんなさぁい!」
「いや、全然大丈夫…どしたの?」
「焦点が大丈夫じゃないですぅ!」
目がぐるぐると回っていて、鼻血の吹き出た我妻くん。重傷だ。……きよちゃん強くね??
「ほんとにごめんなさい!炭治郎さんどこにもいなくって!炭治郎さん傷が治ってないのに鍛錬なさっててしのぶさまもピキピキなさってて……!安静にって言われてるのに!」
「腹の傷かなり深かったんだよね?それでどっか行っちゃったのアイツ!馬鹿なの!?」
彼のことだし、無理することも考えられる……けど、家に行くってことなら人に会うってことだし、大丈夫だとは思うけど……
「菖蒲、炭治郎さっきまでここにいなかった!?」
『我妻くんそのお饅頭ちょうだーい』
「良いけどさ!!」
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リナ(プロフ) - モノクロさん» コメントありがとうございます!!泣いていただけたら本望です!()ギャグ混じえつつ急にシリアスぶっ込みますので温度差にお気をつけください!そして夜に寝ましょう!不規則生活!!() (2019年10月28日 10時) (レス) id: bdf7177f23 (このIDを非表示/違反報告)
モノクロ - こんなん…泣く、泣いてしまう(号泣)菖蒲くんもあやめくんも大好きですなんなら全員好きですけどねッ!!今後の展開が楽しみで昼しか寝れないなぁ!← (2019年10月28日 1時) (レス) id: 6f839a2af7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リナ | 作者ホームページ:http://uranai
作成日時:2019年10月16日 17時