第119話 あと一歩 ページ26
❁⃘*.゚
音を聞き付けた伊之助くんがこちらに来ていた。
でも、そんなことはどうでもいいくらいに、戦いは激化していって。
「杏寿郎、死ぬな」
俺が弱いから、この戦いをただ見ていることしか出来ない。
「生身を削る思いで戦ったとしても全て無駄なんだよ、杏寿郎。お前が俺に喰らわせた素晴らしい斬撃も既に完治してしまった。」
「だがお前はどうだ。潰れた左目、砕けた肋骨、傷ついた内蔵。もう取り返しがつかない。鬼であれば瞬きする間に治る。そんなもの鬼ならばかすり傷だ。」
「どう足掻いても、人間では鬼に勝てない。」
あれだけ強かったあの人も、この人も。
ボロボロになって、鬼の強さを目の当たりにする。
……でも、それでも。
「俺は俺の責務を全うする!ここにいる者は誰も死なせない!!」
この人みたいに、あの人みたいに。
やり遂げるべきことを一度だって諦めない。
俺はそんな風に、ならなきゃいけない。
「炎の呼吸______奥義」
「素晴らしい闘気だ……それ程の傷を負いながらその気迫、その精神力……一部の隙もない構え!」
「やはりお前は鬼になれ杏寿郎!俺と永遠に戦い続けよう!!」
「術式展開______破壊殺・
「______玖ノ型
攻撃が再び交わり、大きな土煙が上がった。
そしてそれが薄れる頃に見えたのは、煉獄さんの腹部に鬼の腕が貫通している姿。
『(血を止めることはもう諦めろ)』
「死ぬ……!死んでしまうぞ杏寿郎!鬼になれ!鬼になると言え!!お前は選ばれし強き者なのだ!!」
その言葉の直後、煉獄さんの刀が鬼の頸を捉える。
「オオオオオ!!」
鬼が煉獄さんに向けて拳をあげ、それを煉獄さんが掴んで放さない。
___夜明けは近い。
『(ただ、動けばいい、この力を、そして刀を振るうだけ___ッ)』
「伊之助動けーっ!煉獄さんのために動けーっ!!」
「獣の呼吸______壱ノ牙
伊之助くんが技を繰り出す手前で、鬼が力を振り絞って飛び上がる。
『……恰好の的』
『梓の呼吸______玖ノ型
痛みなんて、知らない。
そんなもののために、止まってやるか。
高く跳び、振り下ろした剣は鬼の左半身を切断した。
『(もう一振り___)』
「やめろ菖蒲ッ!!」
『!』
その声に、身体を無理に動かしていた糸のようなものがプツリと切れた。
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リナ(プロフ) - モノクロさん» コメントありがとうございます!!泣いていただけたら本望です!()ギャグ混じえつつ急にシリアスぶっ込みますので温度差にお気をつけください!そして夜に寝ましょう!不規則生活!!() (2019年10月28日 10時) (レス) id: bdf7177f23 (このIDを非表示/違反報告)
モノクロ - こんなん…泣く、泣いてしまう(号泣)菖蒲くんもあやめくんも大好きですなんなら全員好きですけどねッ!!今後の展開が楽しみで昼しか寝れないなぁ!← (2019年10月28日 1時) (レス) id: 6f839a2af7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リナ | 作者ホームページ:http://uranai
作成日時:2019年10月16日 17時