中指立ててもナンセンス【wrwrd】

15発目 ページ15

栗饅頭も食べて幸せな気持ちで眠りについたはずだった。部屋で物音がする、ネズミやイタチにしては大きい気配だ。気配は私のベットの横で止まると大きく動いた。


『ッッ！！！』


ヒイロ「あら、残念。顔に刺してやろうと思ったのに。」


ガードした肘近くの右前腕にナイフが容赦なく刺さった。飛び上がって窓側に距離をとった。刺さったままのナイフを無理やり引き抜き捨てた。カランカランと音を立てて落ちるが構ってられない。


『くっそ、痛ぇ！！！』


ヒイロ「アンタキモいのよ。皆んなに嫌われてるのに平気な顔してヘラヘラしてるかと思ったら反抗して。毒入りの夕飯だって平気な顔して食べるし。」


ペラペラと本性を現した醜い女が喋りだすが私は返事はせずヒイロの隙をみて出口へと走る。窓から飛ぶとまた騒ぎが起きる。そうすれば都合が悪くなる。


ヒイロ「待ちなさい！！」


鼻で笑って扉を勢いよく閉め走りながら血の滴る前腕を止血する。後ろからすぐにヒイロが追いかけてくるが足自体は私の方が早いのですぐに追いつかれることはないだろうがこちらは手負いだ。どこかで処置したいが包帯は部屋にある。


選択肢は２つ、部屋に戻るか他人に頼るか。後者は言語道断、少し滑りながらも進行方向から切り返しヒイロに向かって走る。


ヒイロ「！？」


驚くヒイロに衝突する寸前で跳躍、身を翻して着地。普段からあまり訓練はしないが伊達に幹部をやってる訳では無い。腹を刺されようが腕が抉れようがいくつもの死地をくぐり戦場を駆けてきた感覚と観察にペーペーが敵うわけもあるまい。


『鈍物女が、場数が違うんだよ。』


ヒイロ「このッ、クソ女が………！！」


顔を赤くして怒りをあらわにする姿も中々滑稽だが事実を言っただけなのにここまでお怒りになるとは甚だ自分の程度の低さを自覚できていないようでもはや哀れに思う。怒り狂うヒイロをあとにして自室に走ろうとすると横の扉が開いて左腕を掴まれそのまま部屋に引きずり込まれた。


『なんっ、！？！？！？』


勢いのまま部屋に転がり込んだが一体誰が……。腕を掴んだ腕の主を探すと我が特別近距離攻撃隊の副隊長がいる。


レパ「だ、大丈夫ですか！？」


＿＿＿
レパさんの為に書き直したまであるくらいにビジュも声も好き。
口調掴めてないので悪しからず。

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