ちょっとワケアリな新婚夫婦３

食器棚[しん様リクエスト] ページ12

『勇斗さーん。』

「なぁに？」

ソファで台本を見ていた勇斗さんをキッチンから呼ぶ。

『すみません、食器が取れなくて…。』

「何の食器？」

『白い大皿が１枚です。』

「あー、ちょっと待ってね。」

そう伝えると勇斗さんは台本を閉じてキッチンへやって来た。

「どれ？」

『白い大皿です。』

「いっぱいあるよ。」

あら。

『うーんと……。』

「…自分で見る？」

勇斗さんの提案に首を傾げた。

『でも私の身長じゃ見えません。』

「食器棚の縁は手届く？」

『？……ギリギリ届きます。』

手を伸ばすとギリギリで手が届く。

「そのまま掴んでて、ねっ！」

『ひぃゃぁぁ！！！』

両横腹に手を添えられて、一気に持ち上がった。

「どう？お探しのお皿は見つかった？」

『ちょちょ、離さないでくださいね！？』

「離さないよ(笑)」

キョロキョロ視線を彷徨わせると、右奥に目的の皿が発見される。それを一枚取って勇斗さんに、見つかりました、と伝えた。

「じゃ、ゆっくり降ろしまーす。」

その言葉通り、足の裏がゆっくりと床に着いてから勇斗さんの手が離された。

『…勇斗さん！』

「見つかって良かったね。」

『はい、ってそうじゃないです！』

「あははっ、誤魔化されてくれなかったかぁ。」

いきなりはダメですよ！心の準備とか、体の準備もあるんですから！

『……重かったですよね？』

こんなことなら痩せておけば良かった。

「いや、めちゃめちゃ軽かったけど。」

『………最近お腹にお肉が…！！』

「自分で言っちゃうんだ。……でも、そのまんまのAが好きだよ。」

『……甘やかさないで下さいっ！！』

「何だそりゃ。」




………お皿を片付ける時、どうしよう。

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