ちょっとワケアリな新婚夫婦３

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「それにしても大きな荷物だね。」

『ついでなので差し入れを持ってきました。撮影と聞いていたのでなるべく多めにと思って。』

「持つよ。貸して？」

『いやいや！流石に役者さんに持たせる訳には！』

「だからと言って女性に持たせてる訳にもいかないでしょ。」

そう言って私の肩にかかったトートバッグを賀来さんが持ち上げる。

『…ありがとうございます。』

「此方こそ差し入れありがとう。甘い匂いする。」

『手軽に食べれた方が良いかと思って個装のお饅頭を。あんこ、さつまいも、カスタード、チョコ、チーズ…色々種類もありますよ。』

「うわ、楽しみ。」

賀来さんが笑ったのでつられて私も一緒に笑ってしまう。

「……何かアレだね、Aちゃんって想像してたより表情豊か。もっと硬い子だと思ってた。」

『似たようなこと勇斗さんに言われたことあります。』

私だって笑うし泣くんだけどなぁ。

「さっきも俺が声掛けた時にパァっと明るい顔してさ。」

『迷子の私にとっては神様に見えました。』

「いっそんに後ろからわりとしっかりした角材で殴られそう。」

『ふふふっ』



「あっ、賀来くん。」

「おっ！小栗さん、お疲れ様です！」

………賀来さんより身長の高い人来た。
しかも初対面。

「…隣は？」

小栗旬さんの言葉にハッとして背筋をピンと伸ばして頭を下げた。

『初めまして、磯村Aと申します。』

「磯村さん？」

「いっそんの奥さんです。今日は届け物があって来たみたいで。あとついでに差し入れ持って来てくれました。」

そう言って肩にかけていたトートバッグを軽く揺らした賀来さんに、あぁ、と納得した表情の小栗さん。

「磯村くんならさっき一緒に撮影終わって今休憩中だよ。」

「マジっすか、まだいます？」

「いるいる。」

「じゃあ行ってみます。」

『ありがとうございました。』

「はいはぁい。」

ひらひらと手を振って歩いていく小栗さん。
というか凄い衣装着てるな。甲冑？？

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