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義父「は、勇斗、違うぞ！」
「分かってるよ、ちょっと前から聞こえてたし。」
私達の元へと近づいて来て、自身の首に掛けていたタオルで私の目元をポンポンと抑えてくれる。
『わっ、ありがとうござ…』
そのまま私の耳に勇斗さんの唇が近付いた。
「あんまり可愛いこと言ってると、」
────────食べちゃうよ？
『へ、』
「あ、涙止まった。」
勇斗さんがけろりとした顔で顔を離す。
『…な、なっ……！！』
「落ち着いて、A。」
義母「さ、ご飯にしましょ！」
夕食も食べ終え、食器を洗わせてもらった後は勇斗さんの部屋に戻ることになった。
『おやすみなさい。』
義母「おやすみ。」
義父「おやすみ。」
『勇斗さんの部屋はそのままなんですね。』
勉強机に本棚の教科書や参考書、ベッド、部活の仲間と撮った写真、この部屋の至る所に勇斗さんの思い出が詰まっている。
「実家のAの部屋は片づけられちゃった？」
『いえ、年始に行った時にはそのままだったので恐らく今もそのままだと思います。父も母も自室がありますから。』
勇斗さんがベッドに座って隣をポンポン叩く。私は大人しく勇斗さんの隣に座った。
「Aの家に挨拶行った時は緊張したなぁ。」
『ふふ。勇斗さんの御両親も厳しかったと聞きましたよ？』
「Aの家程じゃないよ。」
『…それは全部私のためだったと分かっていますから。』
世間一般から見れば厳しい家庭だったと思う。家では勉強かマナーレッスン、他は習い事ばかりだった。それも全て虐められていた私を出来るだけ学校と切り離す為だったことは分かっていたので私は辛くなかったし、何より両親からの愛情はめいっぱい受け取って来た自覚がある。
『両親は私をよく褒めてくれました。…両親だけでした、私を褒めてくれるのは。』
「…。」
『人付き合いが苦手な私にとって、両親の期待に応えることが幸せでした。それなのに周りは同情や嫉妬、嫌悪の目。……やっぱり勇斗さんと私では違い』
「A。それ以上は、いくらAでも許さない。あまり自分を悲観しないで。」
『っ、』
遮られた言葉と真っ直ぐな目で射抜かれた心臓が、ばくばくと音を立てる。
恐怖？…違う。
緊張？…違う。
……私のことを、ちゃんと見てくれている。これは、高揚。
『…やっぱり私、勇斗さんに出会えて良かったです。』
にへ、と力なく笑う。
伝わってるかな？私の温かい胸のポカポカが、勇斗さんにも。
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親子丼(プロフ) - 莉子さん» 莉子様、コメントありがとうございます。磯村勇斗さんがデロッデロに甘やかしてくれる日常を書くのが楽しくて仕方ないので楽しんで頂けているのなら良かったです笑 更新頑張ります！ (2020年9月10日 7時) (
レス) id: 72c92659fa (このIDを非表示/違反報告)
莉子(プロフ) - 更新おつかれさまです。今回も磯村隼斗様にキュンキュンしました！更新頑張ってください！応援しています！ (2020年9月10日 6時) (レス) id: 7a18dbf6fa (このIDを非表示/違反報告)
親子丼(プロフ) - ヒーターさん» ヒーター様、コメントありがとうございます。更新への活力となりました！是非読み返してください！ (2020年9月5日 18時) (レス) id: 72c92659fa (このIDを非表示/違反報告)
ヒーター(プロフ) - 更新お疲れ様です。今回のお話も最高でした。次回の更新まで読み返しちゃいそうです。 (2020年9月5日 18時) (レス) id: 62477fd0cd (このIDを非表示/違反報告)
親子丼(プロフ) - ヒーターさん» コメントありがとうございます！そう言って頂けて嬉しいです。更新頑張ります。 (2020年8月31日 7時) (レス) id: 72c92659fa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：親子丼 | 作成日時：2020年8月28日 21時
