Rhapsody (ページ23)

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.sho side

偶然、見かけただけで運命だと思った。

もう一生会えないと思ってた。

1番会いたかった人が、隣にいて
俺の車の助手席に乗って
俺に笑いかけて…。

そんな幸せなこと、ほかにある？

でも俺は、その幸せよりも自分の社会的地位を選んだんだから
…今更戻れるわけもない。

ただ、夜道を1人で歩くキミが心配で
送ってあげたいと思ってしまったのは、
自分の弱さだ。

“｢…私たちが別れたのって、
事務所のせいなの？｣”

そう聞かれた時だって、
本当のことを言ってしまいそうになった。

でもそんなの、我慢してきた俺の努力が台無しになってしまうから。

何度もごめんって謝りながらも
彼女をまた、傷つけてしまった。

どういう感情で、彼女が聞いてきたのかは
分からない。

でも、彼女には今側にある幸せを噛み締めてほしいから…。

帰りの車。

隣に座る彼女の口数が減ったのは、
俺のせい。

車を家の近くに寄せた。

｢ …ついたで。｣

｢ …ありがとう、本当に。｣

｢ええよ、全然。ついで、やし。｣

…はやく、本当のことを伝えなきゃ。

｢じゃあ、また、な。｣

｢うん！気をつけて。｣

彼女が玄関の階段を上り
俺が車の窓を締めた。

…今なら、間に合う？

｢ …A！｣

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