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木々に囲まれた神社の裏、一見古びていながらも隅々まで手入れが行き渡っている社があった
その近くに佇む巫女装束を着た美しい少女
艶のある黒髪に、澄みきった深紅の瞳。
麗らかな日差しを浴びて、キラキラと輝く草木を見つめながら微笑んだその時
「ンナー」
背後の林から、籠り気味な鳴き声が聞こえてきた。
振り向けば、見慣れた仔猫が何かの紙をくわえて林から出てきた所だった
「福、なにをくわえておるのだ？」
「ンニャー」
そう鳴いて、福は私が出した手の上に何かの紙をそっと置いた。
多少福の唾液で汚れてはいたが、読むことに支障は出なかった
｢履歴書のような物か？｣
「ニャァー」
福から渡された薄い紙の束を見てみると、一番上には誰かの個人情報がのっていた
次の頁を見ようとした刹那、ガサガサと大きな音をたてて何かが林から飛び出してきた
「ど、どこに行ったんだ！？」
「敦、あそこ！」
飛び出して来たのは赤い着物を着た少女と、白髪の不思議な前髪をした少年。
二人は福を見つけるなり、凄い勢いで此方へ走ってきた
大声を出しながら福に詰め寄る二人。
私が近くに居るにも関わらず、まるで私が見えていないかのような二人
…ああ、そう云えば "人の子" には私の姿は見えないのだったな。
そして、私が触れているこの紙も
にしても凄い形相だ。
きっとこの紙は彼らの物だろう
そう思い、私は自身の体を実体化させた
「人の子、お主らの探し物はこれか？」
「ぅえ！？い、今どこから…！？」
当然ながら、困惑の色を示す二人。
一方の福は大慌てで私の後ろに飛び込んできた
それを横目で見た後、彼らに紙を差し出しながらもう一度問う
「……私の問いに答えよ、人の子。お主らの探し物はこれか？」
「あ、はい、それです！！」
嬉しそうにしながらも、強ばった表情でそれを受けとる少年。
パラパラと薄い紙束をめくり、ようやく安堵したようだった
「良かった……あの、ありがとうございました！！」
「こちらこそすまなかったな。……失礼する」
仔猫を抱き上げ、颯爽と去って行く彼女。
呼び止めようと瞬きをした刹那、僕の視界から彼女はその姿を消した
「き、消えた！？」
「どこに……！」
しかし、どれだけ探しても彼女らしき人物は見つからなかった
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レイ(プロフ) - ReiLeiさん» コメントありがとうございます！更新速度は蛞蝓以下ですが、これからもどうぞお付き合い下さい！！ (2018年12月22日 22時) (
レス) id: 5e06df6d00 (このIDを非表示/違反報告)
ReiLei(プロフ) - 良き!!!!! (2018年12月16日 3時) (レス) id: e65e94b2de (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 海月猫さん» コメントありがとうございます！これからもよりよい作品を目指して、頑張ります！！ (2018年12月10日 23時) (レス) id: 5e06df6d00 (このIDを非表示/違反報告)
海月猫(プロフ) - 面白いです！更新頑張ってください！ (2018年12月10日 22時) (レス) id: db1e8d80c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レイ | 作成日時：2018年11月6日 23時
