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あれから数日が経った
何故か私を知っていた謎の男や敦と鏡花は私の住む神社に何度も訪ねてきたが、神域に閉じこもり会うことはしなかった
彼らの訪ねてくる回数も減り、いつも通りの日々が戻ってきた
そう、思っていた矢先____________
「………何じゃ、この男は……」
本殿の縁側の部分に服を酷く乱し、
夕陽のように明るい髪色を持ち、全身が殆ど黒で統一されたどこか怪しげな風貌だ
男からは嗅がなくても分かる程に強い酒の臭いがしており、酒豪である神々(Aクラス)でなければ間違いなく、近づくことすらも叶わなかったであろう
私には何か男との因縁でもあるのか?
そうは思いながらもAは氏神、ヨコハマに住まう者であるこの男を放っておける筈が無かった
「福、そこに転がっておる帽子を取ってくれ」
「ンナァー」
随分と洒落た物を被っておるのだな………
福に取ってきてもらった帽子をマジまじと眺めた後、Aは試しに帽子を被ってみせた
「どうじゃ?」
「ン"ナー……」
案外乗り気で帽子の角度を変えて見せるAを見て、福は複雑そうな顔をしていた
確かに、巫女装束に西洋のお洒落な黒い帽子は似合わない。
福の微妙な反応も頷ける
「ふむ……やはり似合わんか。さて、この酔いどれに茶でも入れてやるかの」
「ンニャー」
「なんじゃ、その帽子が気に入ったのか?」
嬉しそうに男の帽子を被って歩く福をAは微笑ましげに見ると、後で毛をはらわねばな………と考えるのだった
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鼻腔を擽る香り。
いつも使っている柔軟剤の匂いではなくどこか懐かしいような、花のような優しい香り
薄らと目を開けると差し込んできた光。
余りの眩しさに目を細めていると、目の前に黒髪の美しい少女が現れた
「目が覚めたか?酔いどれよ」
「ア"ァ"?手前、一体……?」
『それが介抱した……者に対しての態度か?』
「かい、ほう……?」
『介抱した"人間"に対する』と云いかけた言葉を彼女は飲み込み男の背を支え座らせると、茶を手渡した
「緑茶じゃ、飲むといい」
「お、おぅ………」
男は寝ぼけ眼のままAから茶を受け取り、自身の帽子を被っている白猫をボッーと見ていた
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レイ(プロフ) - ReiLeiさん» コメントありがとうございます!更新速度は蛞蝓以下ですが、これからもどうぞお付き合い下さい!! (2018年12月22日 22時) (レス) id: 5e06df6d00 (このIDを非表示/違反報告)
ReiLei(プロフ) - 良き!!!!! (2018年12月16日 3時) (レス) id: e65e94b2de (このIDを非表示/違反報告)
レイ(プロフ) - 海月猫さん» コメントありがとうございます!これからもよりよい作品を目指して、頑張ります!! (2018年12月10日 23時) (レス) id: 5e06df6d00 (このIDを非表示/違反報告)
海月猫(プロフ) - 面白いです!更新頑張ってください! (2018年12月10日 22時) (レス) id: db1e8d80c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:レイ | 作成日時:2018年11月6日 23時