夏油は見た ページ1
私は見てしまった。
─────パシンッ
乾いた音、彼女は叩かれた頬を押さえて、倒れ込む。
一方、彼女を叩いた男、五条悟は冷めた瞳で彼女を見つめていた。
二人に何があったのかはわからない。
しかし、どう見てもあれはやりすぎだ。
「悟、何をしているんだい?」
「げっ………傑………なんでもねぇよ」
「何でもないわけがないだろう。女性に手をだすのはよくないと思うよ」
「それは………」
何かをいいかけて、悟は口をつぐむ。
それから、舌打ちをひとつ残して去っていった。
「大丈夫かい?」
倒れている彼女、Aにそっと手をさしのべれば、Aはポカンとしたあと私の手をとった。
「あぁ、うん。大丈夫………」
「何があったんだい?今日は二人で任務だっただろう?」
そう聞けば、Aは口を開く。しかし言葉が出てくることはなかった。そのまま、悟と同様に口をつぐみ、諦めたように笑った。
「なんでもない」
「何を隠している?」
「大丈夫だよ」
様子がおかしい。二人とも何かを隠している。任務で何があったのだろうか……。
あの悟がAにビンタするなんて……。
二人とも口喧嘩はすれど、それは戯れで本気ではない。誰が見ても仲良しだった。
それなのに───。
モヤモヤした気持ちを抱え、私は寮に戻るAの背中を見送るのだった。
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梅雨の目(プロフ) - chiaki0708さん» コメントありがとうございます。面白いと言っていただけてとても嬉しいです!やはりコメントを貰えると嬉しいですね。モチベーションに繋がります!ありがとうございます!!! (2022年1月19日 20時) (レス) id: 0d2ed66bca (このIDを非表示/違反報告)
梅雨の目(プロフ) - えねごりらさん» ありがとうございます。嬉しいコメントに画面の前でニヤニヤしてしまいました。閲覧して頂き誠に感謝しています。 (2022年1月19日 20時) (レス) id: 0d2ed66bca (このIDを非表示/違反報告)
梅雨の目(プロフ) - 葵さん» 笑っていただけてよかったです!コメントありがとうございます。 (2022年1月19日 20時) (レス) @page14 id: 0d2ed66bca (このIDを非表示/違反報告)
chiaki0708(プロフ) - めっちゃ面白いです!!続きが気になります笑笑 (2022年1月17日 11時) (レス) @page12 id: 26a665cc7a (このIDを非表示/違反報告)
えねごりら - 面白すぎる!更新楽しみです!! (2022年1月4日 22時) (レス) @page12 id: 71d3d1284f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:梅雨の目 | 作成日時:2021年2月26日 20時